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  • 2016.12.18 Sunday

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    必ずお読みください。

    • 2016.12.18 Sunday
    • 23:59


    いじってたら記念すべき最初の記事消えてこれになりましたが大したこと書いてなかったので気にしない。

    当ブログなぜか過去記事放置で再開するようです。
    理由は面倒だからです。後述しますが過去のことは色々ぐだってます。気にしないであげてください。


    このブログの注意事項を記載します。タイトル通り、必ずお読みください。

    当ブログはR-18小説・絵を含みます。
    えっちいのもグロいのもです。
    なので18歳未満の方と、それらが苦手な方の閲覧はご遠慮下さい。

    大抵カテゴリーはわけてあり、記事の最初に【※R-18注意※】と記載するようにはしてますが、
    もしかしたら抜けているものもあります。
    あまり過信せず素直にブラウザバックを推奨します。


    また、当ブログはたまに主の病んでいるかのような皆様の気分を害する糞愚痴記事がたまに飛び出します。
    こちらは現時点であらゆるところに存在するので基本個別記事で注意喚起ができません。
    一番多い雑記カテゴリーでのみ「※欝注意※」と記載してます。
    苦手な方はサイトをそっ閉じしてください。
    因みに主は鬱病とかではないっぽいです。メンヘラもどきです。それも含めて苦手な方は以下略。


    最後に、さっきちらっと確認した次第では、過去記事では
    ・字が小さい
    ・色が見づらい
    ・反転が必要な文章
    などのものが存在するようです。主にブログの仕様変更のせいです。
    ひとつひとつ直してないのでどうしても見たい方や不満がある方はご一報ください。
    でも正直あんまり見て欲しくな(殴


    何かあればコメントや以下に記載するついったーでどうぞ。
    ついったー
     

    いつかどこかの並行世界で 1

    • 2016.12.18 Sunday
    • 02:47

    ――わたしこそ、罪人。
    わたしは鳥にはなれないけれど、わたしこそ、水槽を欲している狂った魚のような異形。
    数々の沢山のわたしを映画のように観賞しているだけで、それに鞭打つことすらない。
    いい夢が見られるように、なんて。
    気を抜けばある意味悪夢しかないその光景に、快眠しようという努力すらしない。
    仕方のないことだと、脱力。
    わたしはアレスに囚われ、力すら入らない。自らそれを望んだ。
    だから、なの?
    ――罪人を許せるのは、同じ罪を問われようとしている被告人だけ?
    意味もなく世界を見ようとし続けた彼をわたしだけは許したかった。
    それができるのは、どうかわたしだけでありたい、と。
    そう思えるのがたとえばこの世界のわたしひとりだけなら。
    心のある獣に愛されたわたしは、彼に心を尽くさなくてはいけなくて。
    わたしだけがアレスを愛することができる。
    反転する世界も、平坦な世界も、回り続ける世界も未だに平行線上で交わらない。
    目をつぶれば、観測などいつでもやめられる。
    目を開いても、世界が焼けただれることもなく、ただ回り、揺れ続ける。
    右に、左に、時間の針を刻む。
    わたしは何にもなれない。
    彼も何にもなれない。
    きっとそれが、答え。

    ――いつかどこかの ”亜空”


    十士郎は、もしもの話をしても、きいてくれる?
    ……そうだよね、そんなありもしない話、面白くないよね。そんなんじゃ、あなたに興味を持ってなどもらえない。
    ならひとつ、きいてほしいの。
    わたしの知っている十士郎は、ふたりいるの。
    ひとりは、わたしを好きになってくれる十士郎。
    ひとりは、わたしを好きでもなんでもない十士郎。
    わたしは、どっちの十士郎のこともすきで、選べないの。
    ……面白くない?知りたくならない?
    ならなくても、せめて嫉妬くらいしてほしいのになぁ。
    でもわたし、十士郎に構わず、たくさんの十士郎をすきになるよ。
    だって、十士郎は、わたしと手を繋いでくれたから。
    その恩は、嬉しさは、感謝は、わたしが一生何かしても、きっと返せないの。
    それくらいすごいことなんだから。
    十士郎はわたしに何もできてないっていいながら、それだけのことをしたんだよ。少なくともわたしにとっては。
    だからきっと、わたしがいる限り、わたしはきっと十士郎をすきになる。
    十士郎の力になりたいって思う。
    十士郎がわたしをどう思っていようと構わないの。
    何十人のわたしが誰かに手を伸ばして、届かなかったとしても、
    今こうしてわたしの手が十士郎に届いている。
    それだけで東雲楓っていう存在は、満たされるから。
    その事実を、どこにいても、何をしていても、決して忘れなければ、
    幸せでいられるから。

    ――いつかどこかの ”東雲楓”

     


      その少女を気にかけるようになったのはいつからだろう。

     

    わたしは今日も夢に溺れる。
    いつしか溺れる。
    きっと溺れる。
    絵空事のように、胡蝶のように。猫のように。鳥のように。
    起きているわたしが憶えているかどうか。それは今のわたしにはわからないことだけれど、いつかもわたしはそうして夢にたゆたっていた。

     

    ――はっきり言おう。
    同じ夢がそうそう見れないように、夢の中で同じ人物と関わっている者は、少ない。

     

    喩えば。
    蒼い魚は今日はいつもどおり黒く大きな海鷂魚に包まれて、寄り添って。
    ただそうしているだけでいいはずなのに、気づいたら勝手に独り泳いで迷子になって、その度に生きられもしない深海の底に、怯えて。
    かと思えば次の日は、回遊してはなじみ、ぶつかり、また泳いで、果てには空を飛んでどこかの頂上に目掛けてキスをする。
    変わりやすい山の天気をものともしないフリをして。
    そうこうしているうちに次の日は、獏がなり損なって渡っている鳥を捕まえては愛を囁き、逃がすフリをする。弄ぶかのように、試すかのように。
    また別の日は、全てを巻き込んでは、回る。
    何も原型を残さないかのように、交わって、交わって、どこかの神話のように歪な形を築き上げては、ただ「愛して」ますと叫ぶ。
    そこに最早生き物など何もない。けれど誰かはそれを家族と呼んだ。

     

    思えば気持ちの悪い夢ばかりだ。
    わたしのずっと追い続けてきた”そいつ”だけでも、なに食わぬ顔で日を跨ぎ、次々に違う人物に恋をする。
    ……いや、本当に気持ちが悪いのは、”そいつ”だけではないということ。
    もっと言えば、恋だけでもないこと。友情も、尊敬も、親愛も、ただのあいさつでさえも。
    ぐるぐる廻る。誰かのワガママみたいに、全て巻き込まれては、違う誰かを巻き込んで。
    世界がどうだかまでは、知らないけれど。
    わたしの夢の中は、意識は、そんな風に成り立っていた。

     

    ただ、その少女だけは、もしかしたら、ほんの少しだけ、違うのかもしれない。

     

    そう思ったのが最近だった。
    蒼い魚。青い空。碧の犬。月さえ映す夜のブルー。
    いずれ全て混じって薄汚い黒に染まるのを拒むかのように、その少女はいつも同じものを見つめていた。
    ――それはただ何の変哲もない、籠の中の小さな白い小鳥なのに。
    翼を広げては、いつか同じモノになることを望むかのごとく。
    触れては微笑み。
    突き放しては怒り。
    繋がれては涙し。
    言葉を交わせば跳ねる。
    よく見れば見るほどそれを繰り返す存在だと知って、わたしは目を見開いた。
    なぜただの小鳥を愛でる。
    幸せを運ぶ色は、既に自身も持ち合わせているというのに。
    犬のくせに、翼を生やして奇形になってまで、それを追い求めるか。
    繋がれた手に、平和など何もありやしないというのに。
    夢の中のわたしにはわからなかった。
    夢の中のわたしには。
    ……だからなのだろう、きっと。
    わたしも探してみることにしたのだ。
    幸せの、青い小鳥とやらを。

     

    少し干渉するように近づいてみる。
    それぞれの世界に干渉する。それは流石のわたしもずっと避けてきたことだった。
    いくら夢の中だとしても、わたしがどうなるかの保障は皆無。
    脳の構造が分かっても、それが見せる夢の構造まで理解する力は、今のわたしにはないみたいだし。
    更に言ってしまえば、個々の世界に干渉することなど、可能かどうかすらわからなかった。

     

    ここで、説明という言葉すら空虚なわたしの夢の中を、少し説き明かしておくことにする。
    わたしの傍観するそれぞれの世界自体は深海に咲く丸い泡のように、比較的単純な形をしている。
    恐らく入る事もでき、感情も理性も意思も、侵入を阻害するには混沌としすぎていて、誰かから妨害される心配もほとんどない。
    ただし入ったとしたら、その世界にわたしが一時的に移入することになるので、”わたし”の存在が希薄になるか、消えてしまう危険性はある。
    仕組みもわからないままに、目が覚めれば全てなかったことになると呑気にわたしは踏んでいるけれど。
    自由で気ままでなければ、夢としては存在できないだろうから。
    そしてもうひとつ、今からわたしが干渉しようとしている世界。
    それは恐らく、”ひとの夢”、もしくは”ひとの精神世界”。
    脳を行き来して入るわたしからしたら、きっと幻想で無意味で無価値で、触れれば壊れてしまうような儚い世界。まさに一夜の夢。
    けれどそれ相応に防衛は固く、形も不揃いで複雑で、どこが入口かもわからないくらい形として存在してないこともままある。
    誰がどの夢なのか、特定することすら基本的には難しい。
    本当に存在しているのかどうかすらわからない。
    それこそ干渉すれば、夢から覚めたあとのわたしの存在すら保障はない。

     

    それでもわたしはのんびり、空中浮遊の要領で進む。
    わたしのこの夢を形容するのが一番難しい。一言で言えば、理性が存在しない世界。
    ただそこには猫をも殺す好奇心のみが存在する、といえば正しいのだろうか。
    何が正義?
    そんな言葉がふと頭に浮かぶ。
    辿る間もなく、目の前には意外にも整合した、はっきりとした羽で覆われた境界線が見えた。不覚にも美しい。
    ただひとつ歪なのは、その色が碧とも白ともとれない色をしていること。
    なぜか躊躇も知らずに羽毛に体を埋もれさせようとするわたしは、あと一歩のところで勿論妨害に合う。
    彼方へ突き抜けるように飛ばされ、体を何かに貫かれる。速度は、神速。
    けれど感覚は痛みでも不快でもなく、この痺れるような感覚は。
    わたしはこれを知っている?
    ……わたしはこれを内包している?
    よくわからない。
    ただ、妨害がその一度きりだということだけわかった。なんて手薄。
    この世界の主に危機感というものは存在しないのか。
    ただ形式的にやったに過ぎない、とでも言わんばかりの攻撃。
    もしくは気づいていないのか。
    そう思い、歩を進めると、今度はただ、周りの翼に覆われた。

     

    夢? 夢に入るの?
    淫魔の夢に? 怖いもの知らずさんですね。
    え、淫魔ってなあに? 美味しいの?
    まぁよくわからないけど、いいんじゃない?
    …………うーん。けどやっぱり、だめ。
    これは、乙女のナイショ話なんだから。

     

    ごちゃごちゃとした意識の中で。辛うじてそんなような言葉が聞き取れた。

     


    ――飛ばされた先が少女の夢なのか、はたまた全く別の世界なのかは、わからなかった。
    でもわたしはそこがどこかを”識っていた”。
    並ぶ薄汚れた机。壁にかかる、緑の大きな、文字を伝えるだけの壁掛け。
    がやつく人の声。時と開始の音を刻み続ける時計。ひらりと舞うスカート。
    そこは、”学校”。
    ……認めた瞬間、混じりそうになる意識を必死に制御する。脳の操作の要領でなんとか成功する。
    ”わたしは今日も退屈な学校に来た”……ということ、らしい。
    まずひとつ理解する。この世界にはこの世界の”わたし”がいるということ。
    そこまで知覚してもうひとつ。わたしが”わたし”に介入するということは、ここは誰の夢でもなく、ひとつの世界である可能性が、少し高くなること。
    ……なんだ、妨害されて飛ばされて、試みもしなかった世界に迷い込んでしまったのかもしれない。
    それとも、ひとの夢にはそもそも入ることができないということ?
    はたまた、夢の中で自分の夢に入り込むという、器用なことをやってのけた?

     

    刹那、目の前を横切る蒼髪が思考を遮る。

     

    「あ、おはよっ、亜空」
    ”教室”に入る直前、わたしに気づいたその女は振り返り、微笑みかける。
    誰にでもそうするように。
    ……更にひとつわかった。
    ここは回遊魚の世界。この世界の”わたし”がそう信じ込んでいる世界。
    山の天気の変わりやすい世界。誰しもその山に登ろうとする世界。
    魚でさえ回遊の果てに山の自然に身を預ける世界。
    ……自然? なぜかなんの根拠もないノイズがわたしの脳を走る。何かに関係するのだろうか。
    そこまでわかれば、わたしが取るべき行動は見えてきた。わたしはいつも教室には行かず、”理科室”に行く。そうして”休み時間”の間だけこの辺りに出没し、ほんの一瞬だけ星を捕まえる。
    そう、ここは空が独りぼっちの星を見つける世界でもある。……海に恋焦がれた亜空間の空にも、最終的には異性の恋人ができるのだ。

     

    そう、どれだけ空が魚を自身の中で泳がせたいと欲したとしても。

     

    教室には入らないまま、ちら、と中を観察する。件のわたしの”恋人”は、いつもの角の席でイヤホンをして、突っ伏している。大木な身長がどの世界でも変わらず、ありがたい。
    それだけ確認したので向かう場所に向かおうと、踵を返す。

     

    その時だった。たなびく黒髪とすれ違ったのは。

     

    思わずその姿を振り返る。確認できたのは、つかつかと機敏に歩く後ろ姿。顔の横で揺れる小さな三つ編みとリボン。頭の上で揺れる、不自然に長い犬の尻尾のようなひとつの毛。確信した。わたしの入ろうとした世界の”少女”だ。
    思い返せば、確かに少女もこの世界に存在した。あまりにも少女が人目を避けるように佇むため、忘れていただけ。わたしとしたことが不覚だった。
    ……ならばもうひとつ、確認しなければいけないことができた。
    彼女の望む白い鳥の居所。彼女の想い人。

     

    少し苦労したが、なんとか白い小鳥を発見する。
    ”保健室”。この世界の彼が病弱だったことを思い出すまでに時間がかかった。
    ただ、更にひとつ気になることができた。美しいほど白い小鳥は、背の高い女鶴と仲睦まじそうに話していたこと。
    ……この世界での彼らの関係性は、実はよく知らなかった。ただ、犬は籠に閉じ込められる前の小鳥をいつも通り追いかけている、というだけで。犬にすら翼が生えていないのかもしれない。
    その手の語彙には疎い中で、三角関係、という言葉が頭に浮かんだ。
    もしもわたしが少女だった場合、似た純白の色を持ち、手が触れそうで触れない清廉なその二人の距離感は、酷く心を痛めるものなのかもしれない、と他人事のように思った。
    このことを、彼女は知っているの?
    犬を手懐ける趣味はないが、少女の気持ちにだけは少し興味がわいた。

     

    ”放課後”。
    廊下を飼い主もなく散歩する少女を発見した。
    「……なに」
    少し跡をつけただけだったが、彼女は機敏に反応し、振り返る。その顔はジト目に無表情、不機嫌そのもの。それもいつも通りだった。
    予想より早く接近したので、どう声を掛けたものか迷っていたのだが、
    「……ああ。どこかで見たと思ったら。ルークのバ彼女」
    ……他人になど興味を示さないのかと思っていたら、どうやらそういうわけでもないらしい。
    「……ルークからきいてるよ。狂犬〜」
    この少女の言う通り、確かこの世界の“わたし”の彼氏とこの少女は、幼なじみらしい。小鳥が大木の止まり木にいるのを見て推測したことだから不確かだったが、どうやら間違ってはいなかった。
    「なっ、犬じゃなっ……! ……っ、話に聞いた通り。口の減らないチビ介」
    少し憤慨したようにてっぺんの毛を震えさせるも、あまり感情を顕にしたくないとでもいうように、すぐに呆れたような無表情に戻る。
    「……で、何か用? 言っとくけど、ワタシはルークとか男としてこれっぽっちもきょーみないから」
    突き放したいのか気遣いたいのかよくわからない言いぶり。
    それこそこれっぽっちも似ている部分はないのに、突如わたしは彼女に親近感が湧く。
    ……親近感?
    いや、これは違う。


    なぜだろう。根拠はないのに。

    伝わる気がした。

    彼女は世界を知ってる気がした。


    彼を知っているの?

    わたしの知らない彼を知っている気がした。

    根拠はないのに。


    ……それは理論で割り切れないシンクロニシティ。


    「――“風見十士郎”をどう思う」
    気づいたらわたしはそう口にしていた。
    「……へっ!?  えっ、ぁ……、ッ、なんの話。腐れ縁だけど」
    気づいているのかいないのか、彼女は知らんぷりをする。
    さっきの予感は、間違いはないと思いたいほど、確かだったのだけれど。

     

    「お前には、訊いていない。
    聞こえるなら、答えて。“東雲楓”」

     

    夢の中では何の力も使えなかった。
    こうして訴えかけることしかできなかった。
    彼女にわたしと同じ世界が見えているとは限らないのに。

     

    「幾人の“風見十士郎”を追いかけて、お前は何を思う」

     

    野暮だなんて、知っている。

     

    こんなのは、わたしのワガママだ。

     

    ただ彼女についてもう少し、何かを知れれば、掴めれば。
    わたしはもう少しだけ、きっと憶えていられる。
    もしかしたら、彼女の痕跡を追って、起きていてもこの世界を、ほんの少し手繰り寄せられる。
    ……それがどんな物語を生むか。
    それは目を覚ました“あの世界”のわたしが決めることだけれど。
    夢の世界ではこれは、人をも殺す興味と好奇心にしか過ぎないのだけれど。

     

    「……よく、話が見えないけど」
    少しの時間を置いて、目の前の少女、楓は口を開いた。
    「理由なんて、わたしが知りたい。わからない。――ただ、」

     

    世界になんて、意味がない。
    あなたの求めている意味なんて、きっとない。わたしは持っていない。

     

    こんなのは、ただの。

     

    ”こんなのは、わたしのワガママだ”。

     

    「何を思うかと言われれば、わたしは十士郎がすきなだけ。
    気づいたら、誰よりも、――”どのワタシよりも”、目で追っている。……それだけ」

     

    ……ううん、そんなのは。
    本当はそんなの成立しないって、知ってるの。
    だから、内緒。
    ここから先は、誰にも、十士郎にもしたくない、ナイショバナシ。


    ――幾分かの時間が、過ぎた。
    ただの世間話にしては長すぎて、おとぎ話にしては短すぎた沈黙。
    「……えっと。……わたし、なんか変なこと言った……よね?」
    目の前の少女は、はっと気づいたように、隠しきれず、目に見えて狼狽える。
    「…………。……〜〜〜〜ッ!! 忘れろ! 今の話忘れないと殺すっ! ――殺すッ!」
    そうして次の瞬間、真っ赤になって悪態をついて、風のように逃走。

     

    大丈夫。

     

    きっとこれは誰かの夢で、なんの意味もないから、起きた頃にはきっとわたしも忘れてしまうだろう。
    ただ、わたしの知りたかったこと全てがわかるなんて都合のいいことは、いくら夢でも叶わなかった。
    ……想いが?
    たったひとつの想いが、幾多の世界線の彼女の行動を決定している?
    どうもわたしにはそれだけとは考えにくかった。
    ……恋が?
    たったひとつの恋がこうして世界線を繋いで、わたしを導く助けになる?
    どうもそうとも思えなかった。
    それは確かに面白く、興味深いことだけれど。
    今のわたしにはやはり、わからなかった。
    繋がった赤い糸が、何を示すのかが。
    だってきっと、恋とは。
    桜の花びらのように儚いものだろうから。

     


    「…えへ、へ…。 とうしろうが…目の前にいる…」
    嬉しい。……切ない。
    「……ずっと、想っていてくれたのか?」
    わたしが無防備に体を擦り付けるのも厭わず、彼はそう口にする。
    「…そう…だよ。…ずっと…ずっと…だよ…。」
    十士郎の全てが愛しくて。躊躇しながらも、拒まれる気はしなくて。そっと耳に触れてみる。
    嬉しかった。……切なかった。
    「…、そうか。…ごめんな」
    彼に体を奪われる。ぎゅう、と。
    ここが自分の家であることも、自分がどこにいるのかも忘れて、ふわふわ浮いた心地になる。
    「え…、どーして……?」
    言ったあとにわかる。……何が言いたいかくらい、少し考えればわたしでもわかる。
    「ずっと気付いてやれなかったな」
    「…そんなの、十士郎が謝ることじゃない…。わたしが、気付かれないように、ずっとふるまってただけだから…。」
    これは、わたしの素直な気持ち。
    アホ毛を抜いたり、切ったり、無い状態にしないと話さないって、決めてること。
    「……、そうなのか」
    彼は俯く。きっと考えている。
    「……。ちゃんと、十士郎に…見て、ほしかった…から…」
    これはわたしの素直な気持ち。…本当に?
    それだけなの?
    「そうか。…でも、」
    だめだよ。十士郎。
    ……だめだよ、わたし。
    心がそう叫んでも、身体は勝手に微笑んで、十士郎の唇に指を押し当てる。
    また、誤魔化そうとする。
    十士郎がわたしを見る。
    ……それだけでわたしは、その気になれば、どきどきして果ててしまいそうなの、知らないでしょ。
    「…なんとなく、わかってるよ。十士郎の気持ち。
    でも、ただわたしに気をつかってるだけで、ここまでしてくれるの…?」
    ……知ってるよ。……哀しい。
    「…それは、…違うけど……」
    知ってるんだよ、そんなこと。言ってほしく、ないんだよ。……哀しくなるから。
    心は叫ぶ。
    けれど身体は動かない。

     

    「…十士郎は、優しいの。たまにそっけないけど、優しいの。こんなわたしにも、冷たくできないくらい、ね。…でも、わたしは…そんな十士郎が、すきなの…。」

     

    それは。
    わたしのすべてを掛けたような決死の告白。
    他の誰かならきっと、もっと簡単にできること。…知らないでしょ。
    嘘っぱちなのに。
    ぜーんぶ、嘘っぱちなのに。

     

    知ってるよ。十士郎が優しいのなんて。きっと生まれた時から知ってるよ。
    こんなわたしじゃなくても、寂しい子には、孤独な子には、きっと誰にでもそれなりに優しくできるって、知ってるよ。
    十士郎は、自然みたいだから。ただそこにあるのが当たり前みたいに、素朴で、優しくて、そしてそのまま消えてくの。それがたまにそっけなく感じるだけ。

     

    ……だから。そんな十士郎だから。さやにだって渡していいわけ、ないじゃない。

     

    さやだったらいいと思う。…うそだよ。
    さやも寂しいって知ってる。さやは家族だし、お母さんだし、十士郎より近くにいるし、誰よりわかる。さやの寂しさなら許せる。…うそなんだよ。
    さやのこと、誰より優しい十士郎に包んで欲しいって思う。幸せにしてほしいって、思う。……けどね。

     

    ほんとは誰のことも見て欲しくないの。
    ほんとはずっとわたしのことだけ、見ててほしいの。
    ……なんてね、なんて誤魔化すけれど、本当は。

     

    雫が溜まってく。
    お腹の奥の、十士郎のこと考えるときゅって切なくなるところに、水たまりができてく。
    これがどんどん溜まってっちゃったら、どう吐き出したらいいんだろう?
    哀しすぎて、わたしは、どうにかなっちゃうのかな?
    ……けど、誰にも訊けない。
    誰にも、言えないから。

     

    「本当に俺でいいのか…? 俺は、その、決められなかったんだぞ?」
    いいよ。……十士郎は、優しいから。
    だから十士郎だけは、許してあげる。
    どんなに悔しくても。

     

    「十士郎以外は、嫌」

     

    だからわたしは今日も笑う。十士郎にだけは、笑う。
    十士郎の困った顔すきだけど、だいすきだけど、見たくないから、涙は見せない。
    これは、ずっと笑って十士郎と生きていきたいわたしの、ほんの小さなワガママ。
    だから十士郎も、許してくれるかな。

     


    でもね。どうして生まれた時から十士郎のこと優しいって、知ってるんだろう。

     

    十士郎は気付いてやれなかったって悔やむけど、本当は。

     

    本当はわたしも気付いてあげられなかったの。

     

    ずっと届かないわたしを見て、どう思っていたか。

     

    気付いて、……あげられ、なくて。

     


    「……ッ!!」
    やっとわたしは目を醒ました。
    ちら、と窓の外を見てもまだ真っ暗だった。それと、わたしはびっしょりだった。勿論愛液とかいう冗談は寝起きにはかまさない。……汗かな。でも汗にしては、すごく冷たい。
    ……否応なしに、思い出してしまう。ぼーっと考える。今の、夢は。
    今の、気持ちは。
    さっきの、感情は。
    ……知っている。
    あれは、わたし。
    どこだかわからないけれど、お母さんと、さやと、一緒に住んでいる家で。
    ずっと恋焦がれた十士郎とようやく両想いになって。
    体を奪われたあとの、ちょっとした会話。
    ……どうして知っているんだろう。『見たことない』なんて、わたしは十士郎に嘘をついた?
    ……違う。この目で見たことはない。今のは、”夢”。
    でも。十士郎が言うように”あったかもしれない”なんてものじゃ、なかった。
    あれは、確かに在った。
    ううん。今でも在る。
    わたしの中に、…あの感情は、感情だけは、確かに存在する。
    ……ごめんね、十士郎。わたし、嘘つきかな。
    でも、こんな夢をはっきりと見たのは、初めてだった。

     

    …痛い。
    哀しい、なんて生温い。いたい。
    幸せで、幸せで、身が焦がれそうなほど幸せなのに、ずっと胸がズキズキ痛い。
    こんなに夢って、痛いものだっけ?
    わたしの知っている誰かが夢に出てきても、こんなに痛い夢なんて、なかった。
    やっと気付いた。
    また、涙が止まらない。
    枕元の濡れたそれは、汗でもなく、全部涙だった。

     

    体をできる限り縮こまらせる。
    それでも。……それでもわたしは、泣いていることを十士郎に気づかれたくなかった。
    悟られたくなかった。
    十士郎のこと、信じてないなんて、そんなのありえない。
    でも、うまく言えない。

    ”いたくても、いい。とうしろうと、つながってたい”

    ”痛いこともあるけど、十士郎と繋がってるって思うだけで、忘れちゃうの。もっと繋がってたくなるの”

    …これが同じだなんて、同じ気持ちで言ったなんて、きっとわたしにしかわからない。
    ……でも、上手く言えないから言わないだけでもない。

     


    誰にも言えないナイショの気持ちが。

     

    十士郎を誰にも渡したくなくて、ずっとわたしだけのものにしていたくて。

     

    ……こんなに簡単に芽生えたこの気持ちがこのまま成長していっちゃったら。

     

    わたしは、どうしたらいい?

     


    だって、気づいてしまった。
    はっきり、根拠もないのに、気づいたこと。
    わたしが十士郎とこうしていられるのなんて、偶然でしかない。
    その偶然がいつまで続くかなんて、誰も保証してくれない。
    きっと……きっとだけど。
    わたしが十士郎と本当に両想いになれたのは……きっとこの世界だけ。
    この一瞬、だけなんだ。

     

    …こわいよ、十士郎。
    心の中で、叫ぶ。
    寂しいよ、十士郎。
    心の中だけで、叫ぶ。
    十士郎もこんな想いを抱えたことが、あるのかな。
    訊けばわかる。言えば助けてくれる。怒ってたって、喧嘩してたって、たとえニコチン切れてたって、……十士郎なら、助けてくれる。
    わかるから、信じられるから、……言えない。
    わたし、こんなに十士郎のこと知ってるんだよ。
    だから言えない。

     

    もっと、欲しくなっちゃう。
    十士郎の全部、知ってる十士郎も、…知らない十士郎も。
    他の世界でわたしと笑ってる十士郎でさえ、きっと引き剥がして、欲しくなってしまうんだ。

     

    そんなのは、いけないこと。
    はっきりとはわからないけれど、きっといけないこと。
    なんとなく、とんでもないことが起きてしまう。そんな気がする。
    十士郎はひとりしかいないから。ひとりしかいらないから。
    それに……、わたしは淫魔なんだ。
    忘れちゃだめ。
    欲しくて、欲しくて、……十士郎の精気全部奪っちゃったら。
    理性、なくなっちゃったら。
    十士郎は、知らないもん。
    わたしの気持ちなんて、知らないもん。

     

    何にも知らずに、全部我慢して、「心配すんな」って、笑うもん。

     


    お腹にずっと溜まっていたのが、涙なら。それが全部なくなるくらい泣いたと思う。

     

    こんなに泣いてしまった夜は、初めてだった。

     

     

     

     

     

     

     

    亜空さんとアレスさんについては恋人なんですがまた別小説上げるんでお待ちを

     

    …どころじゃないくらいツッコミどころいっぱいっすね、今の時点だと

    多分学パロ小説系も以前あげたのとだいぶ設定だのなんだの変わってます、今はせぐさんと二人で書いてるからね、しかたないね

     

    まぁ学校の話(学パロ世界ということになります)は

    亜空がルークとくっついてて

    蒼がまた別のせぐさん宅の子とくっついてて…まぁここらへんは前の学パロ小説と変わりなく”ラスター君”ですね

    楓ととーくんはお察しくださいって感じです

    比喩多くてわかりづらくてごめんなさいって感じなんだけど、実はこの世界では楓ととーくんと楓のお母さんこと、さや(未亡人になる予定)が三角関係だったりするのん

    その世界とまた違う並行世界を亜空と楓が自覚ありなし関わらず渡ってるよって そんな話

     

    ゆっくりですがきっと必ず整理していきます ほんとごめんなさい

    【※R-18注意※】切なさと何もない闇の中で。

    • 2016.04.26 Tuesday
    • 14:46
    なんで結局あげたのわたし……今見たら最期結局てきとーすぎるし……

    せぐさんからリク来てむしゃくしゃしてまたキャラ使ってやったっていうやつ。
    絵空の方が私の子で名前がとりま”哭神”というおねショタの子がせぐの子です。
    せぐさんには自分の子のくせにかわいいとかいわれました。なぜこれがかわいいの…

    簡単にいうと”哭神”くんは、あおいうたにて蒼が殺したお腹の子の生まれ変わり、だそうです。
    えーと一応別世界線の話のつもりだからほんとはこんなえげつない子じゃないはずなんだよ!
    じゃあ本編どうぞ(白目)




    彼女は言った。
    「踏み込んでみなさい」と。
    だから、それがどんな意味を持つものであろうと、今から行うこの行為が間違っていようとも、
    僕は僕のやり方で踏み込んでやるのだ。


    「ねぇ、おかーさん」
    僕は彼女を呼ぶ。もうおかあさんだなんて思っていないが。
    「僕ね、ちゃんと自分で”蒼ちゃん”のことを調べたんだよ。えらいでしょ」
    彼女は返事をしない。目の前の彼女はみすぼらしい格好でうつむき、ただ呼吸をする。
    「おかーさんの言うとおり、ちゃんと殺すために、いっぱい頑張ったんだよ。聖夜くんにも会ったよ。おかーさん、彼のことも知ってるでしょ」
    やっと彼女は顔を上げる。鎖で縛られた両手はもはや抵抗する力もなく、前髪とその横の髪にまで汗が滴り、その目は隠しようもなくどろん、と虚ろで、かといって絶望に染まりきったわけではないかのように頬は紅潮し、小さく開いた口は涎で糸を引いている。
    「なのにね、それでも蒼ちゃんは殺せないの。本当の意味では殺せないの。蒼ちゃんのちから、すごく強いでしょ。僕、これなら絶対にいけるって思ったんだよ。僕がそのちからを奪っちゃえばいいって。なのに」
    僕は脚を開ききった状態で縛られ、完全に露出したおかあさんのそこに顔を近づけた。おかあさんは僅かに身じろぐような動きを見せて、一見気持ち悪いそのびらびらをひくつかせた。でもそこからは、おかあさんのむせ返るほど濃厚な臭いがした、蒼ちゃんの臭いとおんなじ。
    「だってね、蒼ちゃんのちからは、”なにもない”んだもん。そんなの奪いたくても奪えないよ。ずるいよあんなの。だからね、僕、考えたんだ。どうしたと思う?」
    「蒼ちゃん、えっちなことが大好きでしょ? だからね、えっちなおくすり使ってあげたの。聖夜くんにもらったんだよ。とってもつよーいおくすり。今おかーさんに使ってるのと、おんなじの」
    僕はそこに触れず、そのままおかあさんにのしかかるかのように床に手を置いて、今度はおかあさんの顔の目の前まで近づく。さっきと違っておかあさんは、いかにも切なそうに顔をとろとろにして、震えていた。
    「それでね、僕のこの大きいのでずぷずぷしてあげたの。ほら、可愛くなんかないよ。僕もおくすりで大きくしたの」
    そんなおかあさんの姿に、僕はズボンを脱いで、いきりたったそれを見せつけてあげた。もうおかあさんだなんて思ってない。少しぎょっとした顔をするおかあさん。目の前の女の淫らな姿でもう一回り大きくなって、確かにそれは見たこともないサイズになっているのかもしれない。
    「おかーさんがえっちだから、僕ももう、すごいよ? ぁッ……はぁ、しんくろーのでも、こんなに……ンッ、なったこと、ないでしょぉ?」
    おかあさんの顔の目の前で、自分のそれを曝け出している。それは思ってもない興奮で、たまらず僕は自らそれを握って、擦り始める。先っちょからは、すぐに熱い汁が溢れてきた。
    「あつい、よぉっ……おかぁさん、たすけてッ……!」
    体が熱くなって、恥ずかしいような、嬉しいような、哀しいような、気持ちがごっちゃになって、だんだん怒ったような暴力的な気持ちになってくる。それを押さえるように僕はおかあさんの頭を引き寄せ、その唇に先っちょを擦らせる。
    「ほら、ぁっ……咥えて……っ? くわえてよ、おかーさんッ……ぼくのことも、えっちにしてッ!」
    半ば強引にその口の中へ、僕は硬いのを突き入れた。少しだけおかあさんは首をひこうとしたが、押し切るとそこまで強い抵抗は見せなかった。
    「あ、っ、あッ、あァッ……! おかーさんすごッいよォッ……!」
    腰が壊れそうなほどおかあさんの口内は甘くて、僕はもはやなんの感情も持たずに腰を振る。同時に暴力的な気持ちも消えていた。
    「もっとっ、ッもっとだよおかーさんっ……! ぼくを、らくにしてぇッ! そしたらおかーさんもっ、きもちよくッ、させたげるからぁッ!!」
    無心で腰を振った。きもちいい以外ことばもなくてなにもなくて、おかあさんがどんな舌使いをしてくれてるのかすらわからなかった。すぐに僕の一番熱い汁は、上ってきた。
    「ッおかーさっ……ふァアアアッ!!?」
    すぐに僕は引き抜いて、全てそれをおかあさんの顔に噴射した。きもちよくてどろどろでなにもない中で、おかあさんを汚した、という奇妙な達成感だけ、僕の水底で揺らめいた。

    「はぁっ……はァアッ……」
    激しい運動をしたわけでもないのに、溜まった疲労感とあがった息を必死に整えながら、僕は改めておかあさんの顔をよく観察した。白く汚れて、表情も少しわからなくなったその顔を見ていたら、暴力的な気持ちがまた蘇ってきた。
    「はッ、ぁはっ……、おかあさん、僕のせーえきで臭くなっちゃったね?」
    僕は嘲笑するように、おかあさんを見る。おかあさんのそこはさっきより開いて奥を見せつけ、びらびらのひとつひとつがおかあさんのえっちなお汁でてらてら妖しく光って、男を誘う。ぬめっとした水たまりは、裸のおかあさんのお尻まで濡らしていた。
    「んー、おかぁさん、これなぁに? もしかして、こーふんしてるの?」
    いかにも無垢な感じで、僕はおかあさんのいきりたった肉芽をつまむ。蒼ちゃんも犯したわけだし知らないわけではないけれど、どうして女の人にまでこんなに硬いモノがあるのかは、僕は知らない。おかあさんは絶叫しそうな声を抑えたような声をあげて、尻をがくんがくんと何度も跳ねさせた。
    「あ、へえー……、ここ、そんなにきもちいんだね? じゃあ、まだ触ってあげない」
    代わりに僕は、おかあさんのそこを両の二つの指を使って、左右に開いた。ぐじゅぐじゅに濡れて粘性の高くなったそこは、触れるだけでじゅっと音がして、分け行って覗いた穴の奥まで、ねばっと糸が引いていた。そのおかげで、普通に見たらぐろくて気持ちわるいはずのそこは、とても神聖な扉の入口のようにさえ、見えた。たまらなくなった僕は、そこに口をつけて、自らの唾液も流し込んだ。熱い液が通ったからか、それだけでおかあさんはビクビク震えた。
    「ねぇ、おかあさん。僕が、蒼ちゃんの大好きなことをしてあげて、どうして蒼ちゃんのこと絶望させて殺せたか、知りたくない? 僕ね、おかあさんにも同じことしてあげたいの。でもね……、」
    つつ、と一度だけ僕はその穴を舐め上げた。はッぐぅッ、というような声を立てて、声を噛み殺すおかあさん。けなげでかわいい気もした。
    「蒼ちゃんも少し素直じゃなかったけど、おかあさんはもっと素直じゃないんだよ。だからね、おかあさんがちゃんと素直になれたら、シてあげようと思うの。欲しがりなおかーさんの、ここみたいに、ね?」
    そこに吐息がかかるように出来うる限り口を近づけて、囁いてあげた。優しく囁いてあげただけなのに、おかあさんのそこは壊れたようにとめどなく透明でぬるぬるで綺麗な液体を吐き出し続けていた。
    「んー、僕のだえき、きもちよかった? ならもっと流してあげる」
    何度か、びらびらに口付ける。その度に流し込む唾液の量を多くしていくと、それに合わせておかあさんの反応は面白いように大きくなっていった。まだ抑えるようにくぐもった声を上げつつも、太ももがびくびくっと切羽詰まったように硬い動きを見せたところで、僕は一度その行為をやめる。
    「あはっ、きもちよかった? きもちよかったならおしまいね」
    おかあさんは瞳に涙を溜めながらも、その奥にはまだ強く抵抗できるほどの光が残っていて、どことなく力なくはあっても、僕を睨みつけていた。乾き始めている精液のこびりついた顔なんて、なにもこわくないけれど。
    「ほら、おかーさん……僕、おかーさんのえっちなお汁おいしくて、すぐこーなっちゃうの」
    僕は完全にズボンを脱いで、おかあさんの鼻先にモノを近づけて、揺らした。
    「ほら、ぁっ……ぼく、臭くてえっちなにおい、する……っ? ぼく、ちゃんと男の子の臭い、するでしょぉ……っ?」
    そのまま鼻に先っちょを押し付けて、しばらく擦り付け続けた。心なしかおかあさんの鼻息は少しずつ荒くなっていって、苦しいのか興奮してるのかはわからないけれど、僕の気持ちは高まって、気づけば僕のおちんちんの先っちょもとろとろに濡れていた。自分でもわかるくらい、部屋は獣臭くなっていた。
    「ぁはッ……ぁ……ッ……、ぁ、おかーさん……僕のくっさいにおいも、やっぱりすきなんだぁっ……?」
    とろけきった思考から少し我に返ってまたおかあさんのそこを覗くと、もう入口が見えなくなってしまうほど、そこはとろんとした粘液が詰まっていた。
    「おかーさん、つらくないのッ……? ほんとうは、僕のこのおちんちん、ここにっ……、ッ、欲しくてたまらないでしょぉっ?」
    理性が弾け飛ぶぎりぎりの境目を楽しみながら、僕は先っちょをおかあさんの入口にあてがい、少しだけ動かす。
    流石に堪えきれなかったように、おかあさんはぁっぁっァッ、と小さく高い声を漏らして、すぐにがくがくと大きく太ももを揺らした。本当にイってないのか少し疑わしいくらいの蜜の量だけど、イかせてしまったら意味がないので、僕はすぐに放す。さっきよりも力が抜けて、気持ちよくしてくれない僕に、少し恨めしそうな顔を見せるおかあさん。
    「だめ、っだよ……ッ、おかーさんっ……。はぁっ……、ちゃんと、欲しかったら、っ、ほしいっていわなきゃ……ね?」
    僕も突き入れたい衝動を必死に抑え付けながら、言葉を紡ぐ。
    「ぼくの、おっきなおっきなおちんちん、ッ、わたしの、きたなくてぐじゅぐじゅのおまんこに、はぁっ、ほしいです……いれてください、って、はぁぁっ、いえたら、いれてあげるよぉ?」
    たまらず僕はまたおかあさんの顔の目の前で、くりくりと先っちょを弄る。
    「おかぁさんはッ、はぁっ、こぉ、ゆびでくちゅくちゅっ、はぁはぁっ、されるのがっ、すきぃっ? それとも……ッ、」
    僕はおかあさんの口を女の性器に見立てて指をそっといれ、中を優しく擦るように、かき回す。それだけで口の端からはつうつうと締まりなく唾液が垂れてきた。
    「こんなふうにッ、ンンッ、やさしくとろっとろのお汁、なめとってほしいの……っ?」
    そして今度はキスしそうなほど顔を近づけて、唇を、唾液を舐めとるようにちろちろと舌で撫でる。おかあさんも自分のおまんこをまさぐられている気分になってきたのか、少し舌を出して、顔をとろとろにしながら震えだした。かわいくて、汚したくなって、僕はその頬に、鼻に、まぶたに、いっぱいおちんちんを擦り付けた。お母さんは寒がっているように、恐がっているように、だんだん大きく大きく震えて、顔の周りまで唾液と僕のお汁でてらてら光りだした。
    僕はおかあさんのことを、昨日の夜から媚薬漬けにして、こうして放置している。そろそろ限界は近いだろう。そして僕もだった。
    「ッ、らめぇっ、おかあさ、でるぅぅッ――!!」
    それでも僕は咄嗟に先っちょをおかあさんの入口にまで持ってきて、びらびらを汚すように白い液をぶっかけた。僕だって早くおかあさんの中で出したい。だしたいのに。そう思っていた矢先に、視界の片隅で僕は、おかあさんのとろとろのそこから、ぷしっ、と、小さく液体がはじけ飛ぶのを見てしまった。

    「ッ……、おかぁさん……、これ、なぁに……?」
    僕は力なく液体の飛んだ先を指さすも、おかあさんはとぼけているのかわかっていないのか、呆けた顔で首をかしげるだけだった。
    「おかーさんね、このどろどろのおまんこから……、今、ぴゅってなにか出したよ。おちんちんのお汁みたいなの」
    指をさしたまま指摘すると、おかあさんは少し目を見開いて、恥ずかしいのか、逃れたいように目を泳がせて、身体もまるでいやいやするように少し動かした。
    「おかーさんもしかして……イっちゃった?」
    「ッ…………っ、そんなわ、け……ッ、ないじゃない……、」
    おかあさんは濡れた唇を揺らし、口内も舌で濡らした後、久しぶりのまともな言葉を口にした。
    「イっちゃった? それともイきそうだった?」
    でも既に喉が痛いのか、声を出すのが辛いのか、次は首を横に振った。
    「……イっちゃった?」
    ただただおかあさんの首は、強く否定を示した。
    「そんなわけないじゃんっ!!」
    なぜだろう。おかあさんがあまりにも反抗的だからか。僕の中で何かが弾け飛んで、気づけば僕は思い切りおかあさんのお尻を叩いていた。
    おかあさんは一度目をひん剥いて、痛さからかそれとも別の何かからか、尻を突き出すようにガクガク震えた。
    「こんなにっ、ぐっちゃぐちゃにっ、濡らしてッ、おいてぇッ!? きもちよく、ないぃッ!? ふざけんなっ……ふざけんなッッ!!」
    おかあさんは糸を通されただけの人形みたいにただ尻を叩かれるたびに揺さぶられ続けていた。僕もそれをひとりの人間だと思えず、ただただ全力で叩き続けた。お尻はみるみる面白いように真っ赤に腫れた。少しして、僕の耳におかあさんの吠えるような絶叫が届いて、やっと僕はその動作を止めた。別に楽しくも面白くもなかったのに、僕の股間も気づけば痛いくらいに腫れ上がっていた。
    「……いたかった? おかーさん」
    僕はおかあさんの後ろに回り、おかあさんに抱きつくようにしながらも、実際はただ身体ごと尻を突き出させる体勢にして、そのままちんちんをお尻に強く擦りつけた。おかあさんのお尻はぞくぞくっと震え上がった。
    「いたかったっ? はぁっ、こたえてよッ、おかーさんっ、それともきもちいいッ? きもちよくて声でないッ?」
    おかあさんは喘ぎ声とも苦痛に耐える悲鳴とも取れないような声を出し続けたが、明らかに先程よりも声量は大きかった。
    「こたえろっつってんだッ……ろぉォッッ!??」
    とうとう僕はぱちゅうぅぅんっという音を立てながら、おまんこの入口でさえ、思いきし叩いた。腰が砕けてしまいそうなくらい痙攣するかわいそうなおかあさんの顔を、僕は無理矢理こちらに向けさせた。それは汗と精液と涙でべたつき、紅潮も心なしか消え、昨日は寝れなかったのか隈が目立ち、心なしか頬までこけて見えた。
    「……ひどい顔してるね、おかーさん。いつもみたいによゆーな顔してわらってろよ。きれーな顔はどこにいっちゃったの?」
    ふと考えが頭をよぎる。そうか、女の人って顔を綺麗に見せるために……。
    「そーだ、お化粧しよっかおかーさん。そうすればいつものきれーなお顔に戻るよ。だいじょうぶだよ」
    といってももちろん僕がやり方を知るはずがない。大抵のお化粧では、ほっぺたをピンクや赤に染める、くらいの知識しか僕にはなかった。
    「ごめんね、僕そういう道具は持ってないから……これでがまんしてっ、ねッ?」
    僕に考えついたのはこれしかなかった。僕はいつも携帯している小さなナイフを取り出し、おかあさんの頬の上の方を両方ともぴっと横に切り裂いた。おかあさんは声にならない声を上げた。明らかにそれは苦痛の悲鳴だった。
    「やっぱりいたい、かな? 血ぃ出てるもんね……、あ、でもほっぺた紅くなったよおかーさん」
    今度は、おかあさんの両頬を優しく包み込むようにして、おかあさんを安心させるように微笑んだ。なのに、おかあさんの顔は更に酷くなった。目はまるで色がなくなったかのように動かず、光は全くささず、頬からはただ血がだらだらと下に流れ落ちていた。
    本心からやったことのつもりだったけれど……、僕の動悸はなぜか、おかあさんにモノを擦りつけている時より速くなっていた。そういえば僕は、蒼ちゃんが死ぬ間際にもこんな表情をさせた気がする。その時僕は何をしたっけ? 何を思ったっけ? この暴力的な気持ちの正体は? わからない。だからただ僕は。
    「……おしおきだよ? おかーさん」

    言葉とは裏腹に、今度は僕は優しくお尻に硬い僕のを擦り付ける。恐らくあと少しの辛抱だから。
    最後くらい、優しい夢を見せて。
    母親に、愛情だけが篭められた手で撫でられるような。
    恋人の熱さに、胸が溶けて焦げてしまうような。
    おかあさんの柔らかくて熱い尻肉に、おちんちんだけが優しく、やさしく、たいせつにされている気がした。
    「えでん」
    「僕、えでんのこと……ほんとはずっと、好きだったかもしれない」
    「だって、えでんは……、おかあさんじゃ、ッ、ないもん」
    ようやく名前を呼んだ。目の前の”えでん”は、憔悴した瞳のまま、でもほんの少しだけ見開いて、僕を見た。
    僕のお母さんは、死んだから。
    死んで、僕はようやく、あの暗闇から解放されたから。

    しあわせに。

    やわらかい肉の熱さに僕の熱さも感情も快楽も溶け合って、僕のおちんちんがなくなっていく。
    「えでんッ……、ぼく、すごくきもちいの」
    「えでんも、ッ、はぁ、ハァアッ、きもちいいよねっ……ッ?」
    「おしりまでとろとろにしてッ……、きもちよくないはず、ないよねぇッ……?」
    「ぼくに黙ってきもちよくなっちゃう勇気があるなら、ッはっ、うッ、ほんとのこといわないと、だめだよっ……?」
    僕はたまに、本当にたまに、入口の粘液をぬぐい取るように、擦り上げる。その度にえでんは壊れたおもちゃのようにがくがくがくと震え上がった。焦点の消え失せた瞳はもはや何を何から我慢しようとしているのかもわかっていなさそうで、何度か繰り返すだけで口は開きっぱなしになり、口端からは蛇口のように常に涎がとろとろと滴り落ちていた。
    「ねぇ、えでん……ほんとうのきもち、がまんしないで……?」
    「それとも、もう……っ、しゃべるのも、むずかしい……っ?」
    僕は探るようにお尻の柔肉を掘っていった。たどり着いた小さな穴の入口を撫でると、何かのスイッチが入り直したように、えでんは違う震え方をした。
    「だいじょうぶ……。えでんのほんとうのきもち、わかってるから」
    「だからね、いまから……僕のあっついおちんちん、ずぶっていれてあげる」
    「……ぁっ、…………ァッ…………、」
    えでんはやっと解放されるとでもいうようにどこか嬉しそうに声を上げ、返事の代わりに涎を垂れ流した。まだ出るのかと呆れるほど、愛液は決壊したように溢れ出て、小さく玉を作った。

    「ねぇえでん。今から僕が言うこと、続けて言ってみて」
    「『私は、僕の硬くて熱いおちんちんの虜になりました』」
    「っ……、ッわたひ……は、ぼくの、かたくへ、あちゅい……っ、おちん、っ、とりこに……ッ、なりまひた」
    こんなに涎でどろどろなのに、えでんの声は可哀想なくらいもうがらがらで、途中でたまに詰まってしまう。舌もなぜか乾燥しきって、呂律すら回っていない。そんな状態で……僕の言葉を、必死に紡ぐ。
    「『私の汚いぐちゅぐちゅまんこに、くっさいちんちんが、欲しくてたまりません』」
    「わらひッの……っ、ぐてゅぐちゅまんこぉッ……、ん、くさいッ、ちんひん……ッぐ、ほしくへ、はまりまへんっ……」
    「『私を犯してください。私は、』」
    「っっわらしをッ……おかひて、くださ……っ、わたしは、っ、ッげほ、ぉっ――」
    もう思考すら、ない。
    「『喜んで貴方の肉便器になります』」
    「ごほっ、ォッ……よろこんンッで、っ、あなはの、にくへんひ……っ、なりましゅ……ッ」
    途端に僕も、決壊したらしい。
    ありえないくらいの量の精液が、噴水のように、絵空の背中に噴射されていった。
    「ぷぁッァアァア――……っ?」
    驚いた絵空は怪鳥のように鳴いて、飛沫の感触に背中を倒した。


    しあわせに。
    なくなって、とてもしあわせに、しあわせに、なにもなくなった。


    「おごぉおッッぁかはぁッ!? あぐうぅぅッ――!!」
    苦しいくらいに痙攣しながらも、精液を出しっ放しのちんちんを突き入れた。
    「くはァァァァッ――ぁ……っ………ァ………ッ…………――ぅんン」
    思うほどに声は上げないまま、絵空は今までで一番大きく痙攣して、そのままぱたんと意識を閉じた。
    「あぐぅァアアアッ!? やけるッ、やけりゅぅうううッ!?!? おかひくなっひゃうぅううッッ!!」
    ただただ腰の上下運動を続けるだけで、精液が休む間もなく登ってきて、次第に僕はその全てを絵空にぶっかけた。
    「あッァアアッおひっこでりゅぅぅっ! いーよね、にくべんき、にくべんきちゃんだもんねぇッ!?」
    絶え間なく続く射精に尿意まで催して、構わずそれもじゅぶじゅぶとかける。
    まだ絵空は、ぴくぴく反応していた。
    「あアアアアアッ!! えでんッ! えでんッ! にくべんきッ! えでんにくべんきになっちゃったぁァァッ!! あははアハァアアアッ!!? ぉほォオオッ」
    狂ったように腰を振る。ひたすらに擦り付ける。いや、もう狂っているのか? わからない。ただただ。全て汚れてしまえと。擦り付ける。かける。挿れる。ぶっかける。白く汚す。単純な動作の繰り返し。最早思考はないのだから。
    「ァあッッ……ぐっごほ、ぉぉッ……ぐはぁあッ……はッ……はぁあッ……ッ……、」
    それでも疲労は感じるらしい。腰に鋭い痛みを感じて思わず動きを止めると、もだっとした快感と同質の、めまいと吐き気が僕を襲い、思わずうずくまる。
    「…………ぁ」
    僕は改めて絵空を見る。”おかあさん”だった絵空。
    元々白い肌が僕の汚い白で、幾度も、幾度も彩られ、触るとぬめっと人間の体でなくなってしまったような、女体。
    反応は少しずつ小さくなっている、気がした。
    「…………ゆるしてね、おかーさん」
    それが元の位置に成り代わったように岐立し続けるおちんちんを軽くしごき、僕は絵空の後ろに回り、そのすぼんだ尻穴にあてがった。
    勘違いだけれど。
    絶対に勘違いだけれど。
    きっと、すきだったから。
    「さいごに、おかーさんの好きだった、敏感な、おしりに……いれてあげる、ね」
    がぱっと、思い切りその穴を指で横から広げる。また新たにびくんッと絵空の腰が跳ねるけど、それでもまだその穴は小さい。
    「ッ、この……、っ」
    逆上したように僕は穴にくちづけ、そこにも唾液を流し込む。そしてそのまま勢いで思い切り、そこを広げる。
    「ッッ―――!?」
    ありえないくらいの角度で背中を反らす絵空。同時に穴からは、ぶちぶちっと音がした、気もした。紙が破れるような。
    「あは、はッ……、えでん、やぶれた……やぶっちゃったぁ……っ」
    愉悦に高笑いしそうになるのを堪え、今だとばかりに僕は一気にいちもつを押し込んだ。
    がくがくがくっと反応が大きくなった。うれしいなぁ。でもそれ以上に、
    「っ、ッ……、これぇっ、……すご、すぎない……ッ?」
    中はおまんこの締めつけとは、全く異質だった。
    ひくひく動くようなことも、搾り取るように全身がうねうねすることもなく、ただ絞首罪のように締め付けられる。
    「くぅぅぅッ……ぅ、アッ……ッ、」
    それでも快感を感じないことはなく、苦しみを覚えながらも僕は動かした。最早意地のような何か。
    しばらくそうしていて、感じる違和感。僕は久しい感覚で絵空の尻にそっと触れる。……冷たくなっている。
    ぞっとした。
    「おかー、さん……? え、……? まさかもー、しんじゃったなんて……、っ?」
    顎クイのつもりで持ち上げた頭の付け根からは、今度はぼきりと音がして。
    だらんと頭が垂れ下がる。
    ……瞬間、僕の水底は下がった。
    蒼ちゃんの胸を一刺しした感触をこの手は憶えているのに。
    それよりも、もっともっと、呆気なかったのに。
    僕のこの手は、今この瞬間から。
    全てをなくしてしまった。


    ……沈む。

    【※R-15程度注意※】恋とは何ぞと問われれば 

    • 2016.04.26 Tuesday
    • 12:26

    要はまったくもって平凡な日常小説だけど表現上たまに性的な言葉を自粛してないのでR-15くらいかと。

    カテゴリ作っちゃったんだけどシリーズ化するかどうかわからん。しなかったら短編に入れます(

    前回のバレンタイン小説で書いた淫魔ちゃんこと楓とせぐきゃらのおくにさんっていたじゃないすか。いるんですよ。
    そいつらの未来のおはなし、っていうかバレンタインのが過去のおはなしなんだけどそれはまあ。

    このふたりが最近好きすぎるんです。もう一度いいます。好きすぎるんです。
    だから推します 淫魔万歳(白目)



    これはまだ、出会った頃の話だけれど。最初は全てを覗き込んでくるかのような、見つめる視線に戸惑うことも結構あった。
    慣れてきた頃には、目の細さは男の人特有だななんて、思った。
    更に経った頃には、その目の奥にまで、ある種の諦観が見え隠れしているように感じた。
    そして今。おくに改め、わたしの”ご主人”となった、今。
    わたしは今まで、その透明な赤色にこっちを見て欲しくて、気を引いていたようにも思えてきていた。

    ……ご主人は知れば知るほど、不思議だ。








    恋とは何ぞと問われれば







    「わからないっ!」

    『7月11日。
    久々にファッション雑誌を買ってきて読んだ。
    理由のひとつ。
    わたしの元アパートから財産の一部(笑)のコスプレ系衣服全てご主人の家に持ってきたら、流石に「これ毎日着るとかない」とご主人もわたしも意見がいっちしたから。
    ふたつ。
    ご主人の家にいそうろうを始めて早一週間ほど。かといってかれこれ毎日高校の制服を着まわしするわたし自身が「これはない」と思ったから。ちなみにご主人はこのこと(エンコー者に見える)についてはもう全く気にしていないらしい。
    ご主人はいっかいの変態。
    みっつ。
    わたしはずらし挿入のクセがついていて、お気に入りのしまぱんが破れた。最悪。
    だからご主人とふくやに行きました。
    以上。』

    「ワタシ特にファッションとか詳しいわけじゃないし……ご主人に至っては壊滅的だし……」
    ぶつぶつ言いながらページを捲る。
    ……いや、待て。今気づいたけど。
    わからないなら見てても仕方ないじゃない。
    そうとわかればわたしはすぐさま雑誌を閉じる。それで本城を崩しにかかった。
    「ご主人っ! 買い物! 買い物行くよっ!」
    既に本日三本目のタバコを吸っていたご主人は、少しびっくりしたように振り返った。
    「……、なんだ? 夕飯のか?」
    いや確かに今日のお昼のは昨日買ってますけどそーじゃなくて。
    「んーん、洋服。あ、ちゃんとご主人のも買うから覚悟してね?」
    「いや、別に俺は足りてる」
    でもその意味するところは伝わったらしい。意外とすんなり承諾してくれた。
    というわけでお買い物デートが始まった。
    ……え? いや、言葉の綾って奴です。
    というか単なる視聴者サービスですからっ。

    「あ、ねーねーあれどうっ? どぉっ?」
    実際ショッピングモールに来さえすればわたしも女の子なので多少はテンションが上がる。反面ご主人はどんどん眠たげな顔になっていった。
    「…もー。いっちばん最初に服買わなきゃなって言ってくれたのご主人なんだからね? ちゃんと覚えてるっ?」
    「……ん? あ、いや、すまん……わかってはいるつもりだ……」
    ご主人は目をこすった。眠気に負けそうらしい。まだ一緒にいてちょっとしか経ってないわたしでもわかる。これあかんやつや。まじで興味なさそう。
    ……でもなんか、あからさまにそう思われると(ご主人なりに取り繕おうとはしてそうだけど)、わたしもなんか負けん気根性が疼くというか何というか。
    だっ、と少し勢いつけて近くのお店に入り込む。
    「……、楓?」
    一泊遅れて反応するご主人。とりあえず無視しててきとーな服を選ぶ。わたしに似合う色とかデザインとか、そういうのわからないけど。
    「……ごーしゅじんっ、似合うっ?」
    そして自分の体に当てて、くるっと笑顔で振り返る。楓スマイルを食らえっ。
    「……? うん」
    ……意外と手強そう。
    「これはっ?」
    「まぁまぁ」
    「これは!」
    「結構」
    「っ、これなら!」
    「まぁいける」
    うぐっ……微妙に違う反応な気がするけどわからないっ……
    「結局どれがいーのさーっ!」
    「……別にどれでもかわいいし、いいんじゃないか?」
    「そーゆー感想求めてなーい!」
    別に嬉しくなくもなくもないけど……いや、面と向かって言われ慣れてないだけ。そうそれだ。
    「あとひとつ言うなら、」
    「なになにっ?」
    「楓は割と小さいほうだから、サイズは一個下だな」
    ……楓は撃沈しました。
    大きなお世話です。
    でも、その言葉で今まで意識してなかったことに気づいた。
    ご主人は平均成人男性くらいの身長はあるから、割かしわたしと身長差はある。
    ついでに言うとぱっと見目立たないけど、筋肉もそこそこある。細マッチョより少しある、くらいなのかな?
    顔もまぁ、整ってる方だと思う。
    高身長。がっしりしてる。イケメン。
    ……あれ、ご主人って相当かっこいい部類に入るのかな?
    …………。
    「……俺に何かついているのか?」
    あまり気にしないことにしよう。
    なんというか、これ以上考えたらいけない気がする。
    「ワタシはむしろ背、大きくなりたいんだよ?」
    話を元に戻す。
    「なら牛乳……、いや失敬。楓の場合は……、」
    「うん、流石にこんな人通り多い中で言うのはやめようね?」
    「相変わらずそういうとこは可愛くないやつだ」
    いや一般常識。公衆の面前で下ネタ言わない。これ一般常識。
    「……、でも、なんで大きくなりたいんだ?」
    「それはもちろん……」
    なんでだろう。
    「……、ほら、ちゃんとご主人とも対等でいたいし!」
    「その割にはその呼び名、崩さないよなァ」
    なぜかご主人は嬉しそうだった。なんというかやっぱり悔しい。
    「うるさいっ。次はランジェリーショップに行くからねっ!」
    「悪いが、流石にひとりで行ってくれないか……」
    因みに自分の中で少し協議した結果、ここでは一番最初にご主人に見せた服を購入した。
    自分でも気に入ってたし、ご主人の反応も一番シンプルだったし、一番いいのはこれだったのかなって。
    普段来てても何も言われないので、真偽は定かじゃない。

    『追記
    ちなみにこの日記はわたしがあまり字が読めない書けないってことをご主人に伝えたら、スマホでいいから書けって言われました。文章打つのっていがいとめんどうなのでてきとうにさぼります。』

    「ちゃんと書け」
    「いたっ」
    恐らく最後の言葉だけチラ見されてご主人にはたかれた。ちゃんと書いてるもん。


    『7月13日
    日課のご主人のタバコの買い出し。
    なんとなく今日は一本もらってみることにした。
    目の前で奪い取ったら、あんのじょうご主人はあわてて心配しだした。
    結果:すえないことはない。
    でもさんざんご主人がおいしいおいしいいう理由まではわからなかった。
    ご主人の飲んでるお酒のほうがよっぽどおいしい。そのぶん高いけど。
    少ししたら、なんだかものすごく気分が悪くなってトイレに行った。
    ご主人はアホだなぁ、って背中なでつつ、しっかりわたしにしばらくひとりでタバコを買いに行くのを禁じた。
    ふくりゅうえん?っていう、人がすってるたばこの煙のほうが体に悪いらしいのに、別にご主人が隣ですってるぶんには全然平気。
    お酒も食べ物と同じように自分の中の分量を守っていれば、平気。
    なんでだろう?
    きじゅんはわからないけど、やっぱりわたしの体はがいだと判断すればうけつけないらしい。
    好奇心はわかるがそれで体を壊すな、ってご主人はいった。
    でもわたしだってタバコのついでのコンビニおかしの研究はやめたくないのに。
    というかご主人に言われたくない。』


    『7月14日
    今日は買い物がなくてわりとひまだった。
    あと、今日はご主人がとうとつにゲームをやりだした。
    ちっさい植物みたいな生き物を地面から抜いて?育てて?よくわかんないけど色々して増やしててきとたたかわせるやつ。
    テレビでやれるやつで、大画面で見やすかったから思わず横でずっと見てた。
    いがいと面白そう。あとちっこいやつがけっこうかわいい。
    そのちっこいやつがてきと戦って、「ふにゃあ」とかいって死んでくんだけど、ご主人がわりとなげてなげて容赦なく何匹も殺してくから途中でちょっと気分悪くなった。
    ご主人えげつない。ストレス解消か何か?しかもめちゃ楽しそうだったし。
    そうそう。そのゲーム、30日くらいの制限時間の中で、宇宙船のパーツかなんかをちっこいの使って集めるのが本来の目的みたいなんだけど、ご主人10日くらいでクリアしてた。
    これ、結構すごいのかな?
    殺さなければすごいのに、って言ったら殺してこそなんぼだろ、だって。
    ご主人の本性を垣間見たような気がする。』


    何気なく、本当に何気なく日々は続いていった。
    牢屋の外で久しぶりに会って、こうして手の届く距離に居られて。
    それはこの人と長く過ごすほぼ初めての時間だってことも忘れて、
    わたしがただご主人に甘えて居候しているだけだってことも忘れるくらい、
    多分この時間は……楽しいんだと、思う。
    だからわたしも、柄にもなくほんの少しはしゃぎ気味で、何の気なしにほんの少しだけ、心を開いて。
    ご主人は心配性だし、世話焼きだし、たまに口煩いし、お父さんみたいでもお兄さんみたいでもあるけれど。
    ひょっとしたら、はたから見たら、それはただの。

    『追記
    結局ご主人にここまで書いたの全て見られた。
    こんなにマメに色々書いてるとは思わなかったって言われてちょっと勝った気分になった。ちょっとやる気出たかも。』


    『7月16日
    特に何も無し。
    でも昨日もなかったから、なんか書かなきゃ。
    うーん。……えー、これ書くの?いやだなあ。
    あれです。お食事前にご主人とちょっと遊んだ。
    それで背中に「肉便器」って書かれた。最悪。指でだけど。
    ご主人もなんだかんだで固有の性癖持ちな気がする。
    肉便器ってなにさ。支配欲でもあるのかな?
    そんなに縛らなくたって、わたしはご主人に頼るしかないってのに』

    「ごーしゅじん」
    なんだかんだ、二日に一回くらいのペースができてきていて、その頻度でわたしはご主人と、いわゆる淫魔の食事をしていた。
    とりあえずご主人の夕食は終わった。ちなみに今日は肉じゃが。
    ひと段落着いた頃にどちらからともなく合意が得られれば始めるんだけど、実は意外とまだこれに慣れてなかったりするわたしがいる。こんなことご主人には口が裂けても言わない。
    「ごしゅじーん」
    わたしも控えめに呼んではいるのだが、ご主人もご主人で全く反応しない。
    お仕事中のご主人はかなり集中しているから、大抵呼びかけてもこんなもん。たまに返事があると結構びびる。
    本格的な鍛冶の作業中なら絶対に振り向かない。今は机作業だから、多分研磨か何か。
    ……仄めかせてはおいたし、少しで終わるって言ったのに。
    ほんの少しむくれ気味に、持ってきた冷たい麦茶もお盆ごと横に置いて、なんとなく背中合わせにご主人の後ろに座ってみる。
    結構大きい。……ちょっとびっくり。ご主人は肌とか指とか白くて綺麗なくせして、やっぱ男の人だと痛感せざるを得ない。
    というか、ここまでしてもわたしに気づかないのか、どあほう。
    こっちには熱気がしっかり伝わって来るのに。
    「……ん? あぁ、楓」
    やっと気づいた。てゆうか、びっくりさせられると余計恥ずかしいんだけど。
    「おー楓だぞー。麦茶も一緒だぞー」
    「そうか。ありがてェな。あともう少しだけ待っててくれ」
    「背中にちょっかい出したい!」
    「まぁ落ち着け。どうどう」
    なんというか、ご主人もわたしの扱い慣れてきてない? でもこれがご主人の平常運行な気もする。
    背中に文字書くとしたら何て書いてやろうか考えて結局決まらなくて、ご主人を振り返って見たのと、ご主人が振り返ったのが同時だった。なんだかばちっと視線が合う。
    「……終わった?」
    「一通りはな」
    思ったよりは早かった。そんなこと言われるとゴリ押すぞこのやろう。
    「じゃー麦茶のんだら背中そのままこっち向けててね。ちょっかい出すから」
    「……? お、おう」
    わたしもストローでちみちみと麦茶を飲む。ええい、こんなの最後までノリと勢いだ。
    「よし。じゃー今から背中になんて書いたか当ててね」
    「……なんか始まった。りょーかい」
    いよいよご主人の背中と対峙する。なんか手強そう。小学生並みの感想。
    プー……ロー……レー……スー……ごっ……こ……、と。
    ……我ながら何書いてんだろう。恥ずかしいのはわたしの存在自体な気がしてきた。
    「……、意外とわからんもんだな。もっかい頼むわ」
    「なんでこんな恥ずかしいこともっかい書かなきゃいけないの!」
    「……そうか。そうかそうか。なんだ、楓も物好きになったな?」
    絶対自爆した。しにたい。ていうかなんでご主人まで変なスイッチ入りかけてんの!
    「し、しっかたないご主人だなぁ。もっかい書いてやりますよ」
    「おー、あまり主人に反抗的だと更なる羞恥プレイを考えてやらなくも」
    「そんな趣味ないから! ないから!」
    ぜってー違うこと書いてやると思ったのに結局何も思いつかず、同じ言葉を書くハメに。くそう……こういうとき自分の頭の足りなさが嫌になる。
    「……、カタカナか……? ……いや流石にまだ書けるはずは……」
    確かにね。正直これうろ覚えデスヨ。
    「お、こーさん? こーさんっ?」
    「……っ、楓の字はまだたどたどしすぎるんだよ」
    「おーっ? ご主人とあろうものが言い訳なのかなー?」
    「…………セックス」
    お、おう?
    「……違うよ?」
    なんだかアホ毛に注意を向けられた気がしたので咄嗟に隠す。沈まれアホ毛。そもそもなぜお前は勝手に動く。
    「そうか。でもそれに近い言葉ではありそうだな」
    「き、汚い! そういう戦法汚い!」
    「勝てばよかろうって奴だな。そして楓、腹減ってるだろ?」
    「い、今更過ぎる……」
    やっぱ仄めかすだけじゃだめだったよ! この鈍感男!
    「まぁまぁ。その前に散々主人をおちょくってくれやがった落とし前は付けないと……なッ!」
    「ひゃい!?」
    がっしり捕まえられて、くるっと後ろを向かされた。こ、これはもしや。
    「意外と小さい背中してんだな……、っと。ほれ、俺は今なんて書いたよ?」
    わかるか。そんだけさかさか書かれて字覚えたてのわたしがわかるか。
    「う。わ、わんもあ」
    「ふっふっふ……そうか、わんもあだな」
    「……いやなんか違うの書いてない!?」
    「おーそれはわかるか。ならもちっと集中すりゃわかる」
    「む、むり……だってなんかこれくすぐったっ、ふぅ……っ」
    「喘ぐな。まだ始まってないぞ」
    「喘いでませんっ!」
    なんとなく一文字ずつ増えてる気がするからこれ、三種類目かな? うー……最初の文字が……? えーっと……うーん。
    「どうした、降参か? 降参するなら教えてやるぞ」
    「待って、これ……どれ答えればいいの……」
    「全部」
    「スパルタだぁぁ……」
    「もっかい書いてやろうか?」
    めっちゃにやにやしてる。何この人、何書いたの。何書かれたのわたし。めっちゃ気になる。悔しいけど首を縦に振る。
    そしたらあろうことか一番最後の文字数多いやつ書いてきた。……あれ、さっきよりゆっくり……? 待って、わかるかも。…………に? くー………べ……?
    「……ッ!?」
    「……わかったみたいだな?」
    「ワタシよりよっぽどお下品っ!」
    「仕方ないな。これでも男なんで」

    『そしてすべて終わったあと、なんて書いたかちゃんと答えは教えてくれた。
    「びっち」
    「いんらん」
    「にくべんき」だったそうな。
    普段の態度からは想像できないし、顔色一つ変えずに下ネタ言うからご主人はこわい。
    最早男だからとか関係なくご主人自体がこわい。』


    「ふーん。今時肝の据わった男というか何というか」
    電話越しの相手、わたしの友達のユーリはため息と一緒に言葉を吐いた。
    「ほんと、ワタシもそれは思うよ。気まぐれだけで、ここまで面倒見てくれるものなのかなって」
    もちろん話題はご主人のこと。ユーリとは頻繁に会わないぶん、こうしてちょくちょく電話やメールはする。たまに口が軽い面があるのを知ってはいながらも、どうもこの子は相手の話を聞き出すのが上手いというか。
    「え。気まぐれだって直接言われたん?」
    「うん。言われた」
    「へー……聞けば聞くほど面白いやつ。場所教えろよー、楓ー」
    「あんたすぐにでも来るからだめ。最悪ご主人お人好しだから、あんたにもご飯あげかねないし」
    「ちぇー。やっぱもらっちゃだめー?」
    ……でも、何かにつけてわたしの心配をしてくれてるのはわかるから、憎めない。
    色々貞操観念とかも軽い子だけど、それはきっと彼女のいい面でもある。わたし達みたいなのは、いっそそこまで開き直ったほうが生きやすいのだろうし。彼氏平気で何人も作ったりとか、わたしは絶対真似できないけど。
    「んでもそれってさ、お前も誰かに譲ったりはしたくないってこと?」
    ……なんだかすごく痛いとこを突かれた気が。
    「違うよー。ただでさえほんとにご主人は寝ないから、負担にはなりたくないし重荷にもなりたくないの」
    「またまた楓チャンはよー。すげー大切にしてんじゃん。君はあの時からちょいと臆病になりすぎだね」
    言われると思った。……でも、そうなのかな。
    目をつぶる。黒歴史ってほどでもないけどあまり思い出したくはない類の、でも暗くなれば思い出す程度の甘酸っぱい記憶。

    わたしは物心付いたあたりから、わたし達”淫魔”が本気で恋愛したりすべきでないとは、考えていた。相手に迷惑しかかけないし。
    でもこんだけ生きてれば正直な所、わたしだってそれだけではない。
    ……多分片想いのひとつやふたつ、勝手にしてきてる。
    意外とわたしはそういうとこもただの女の感性は持っている気はする。
    ほんとはかっこいい男の人がいればそれとなくテンションは上がるし、
    男性特有の仕草にどきどきしたりも、する。
    絶対に悟られたくはない。
    売春って何もおっさんばかり来るわけでもないし、たまにホストがスパイに来てるとしか思えないくらいの男も来るし、
    いたんだ。気づけばわたしが目で追っているような男は。
    その人がリピートしてくれば勝手に喜んだり、楽しみにしたりも、していた。
    絶対に悟られるな、と思いながらも。
    ……でも、やっぱり違ったんだ。
    わたしは、売春嬢は、わたし達は、淫魔は。
    彼らにとって、所詮人形であり、一夜限りの彼女であり、性欲のはけ口以外の何者でもない。
    何の気なしに太陽は昇って、魔法が解かれれば、わたしは人間ですらない。
    彼らの感情をそれ以上動かすものなんて、わたしにはない。
    綺麗な夢は見るだけだ。切なさなんて、飼い慣らせ。
    わたしがどれだけ見ていようと、絶対にわたしは見られてなんかいない。
    そんなことに気づくのは、哀しいほど簡単だった。
    だから、絶対に悟られちゃ、いけない。
    ただでさえバカなのに、そんなアホをして泣きたくなんか、ない。

    なんて。
    そこまで考えなくても、ご主人をきゃーすてきかっこいいなんて、そんな薄っぺらい気持ちで見たくないってのが本音かなぁ。
    ご主人はなんていうか、もっとこう、違う。
    未だに恋なんてよくわからないけど。
    未だにたいせつもよくわかってない気がするけど。
    「……まだよくわかんないけど、一個だけ今わかってること言ったげる」
    気づけば恋バナ広げてるのも女の性かな。
    「おっ、なんか来たぞ。なになに楽しみ」
    「別にご主人がどこ行こうといい。構わない。でもたまにでもワタシのご飯食べに、とか、そういう気まぐれで帰ってきて、一緒に少し時間を過ごせるなら、今はそれで満足かな、って」
    「……なぁ。楓」
    「なにさ変なこというと噛み付くぞ」
    「俺今さ、子を持つ親の気持ちわかったような気がした。なんかすげー感慨深い。今まで散々男に必要以上に興味ないフリしてたダチがそんなこと言うようになるなんて……やべー下手したら泣きそう」
    「なんだそれ」
    一応そっけなくて申し訳ないとは思ってるよ、我が友。でも今はこんな反応しかできない。やっぱわたしにこんなの向いてない。


    『7月19日
    なんとあまりアイスを食べないという人生のすうわり損してるご主人がいきおくれないよう、今日はアイスを食わせた。
    下克上じゃ、ぶれーこうじゃ。』

    「というわけで今日はアイスを食べますよご主人」
    「……急にどうした」
    「実はもう買ってきてます」
    「……、あんま食わねーくせに無駄遣いばっかしてっと、仕置だっつったよな?」
    「知ってますかご主人。アイスキャンデーというのは巷で割と流行りのとってもえろい食べ物で」
    「人の話聞け」
    「あいたぁっ!?」
    わたしに頭を冷やさせろ。さっきの電話で変なことばっか考えたから頭おかしくなりそうなんだよご主人のばか。……今のでちょびっと冷静に戻れた気もするけど。
    「……まー、せっかく買ってきてくれたってのもあるし、たまには食うか」
    「やったぁ、どれにするっ? ご主人選んでいいよ!」
    「そこまで喜ぶか。予想外だ」
    目を丸くするご主人。こんなにクソ暑い季節に冷たいものでテンション上がらない方がおかしい。
    「……どれ。……意外と一つ一つはちっさいんだな」
    「うん。種類じゅーしなのです」
    「食い過ぎんなよ」
    「イヤミだ……食べたくても食べれないもん……ふんだ……」
    なんだかんだご主人も隣ですぐ頬張り始めた。せめて座ろうよとは思った。
    ……でも意識してみれば、なかなかレアな光景なのかもしれない。思い返してみてもご主人は多分、あまり冷たいのとかは得意じゃなさそうだから。
    「ご主人のも一口食べたい」
    「……、ん」
    最初こそからかわれたものの、今は割と間接キスにも慣れてきちゃってるな、なんて思うと、慣れって寂しいものな気もしてきた。
    …………あれ?
    「……、どうした?」
    じぃっと、いつでもご主人は見つめてくる。
    どうしてだろう、ね。
    「…………っ、なんでもない。ご主人はやっぱ背が高いなって」
    「……? ……そうか」
    くるりと背を向けてしまうわたしは、どうやらあの頃と変わっていないらしい。
    鉄格子越しにお互いを見ていたあの頃と。
    でも仕方がない。なんだかとてもいけないことに気づいてしまった気分。

    きっと、……わたしがもう少し背が高ければ、キスがしやすいんだ。

    【※R-18注意※】あおいうた

    • 2016.03.10 Thursday
    • 00:36
    蒼ちゃんのおそらく重要な話。割と胸糞。たぶんつづきます



    「はっ……、はっ……」

    何をしたのか全く記憶にない。そこに到着した途端力なく臥していた。とても久々な気がした。
    もう人間の姿のままで使える力をとうに越えている自覚は朧気にあったが、どれくらい臨界に近づいているのかまでは脳がわかろうとしなかった。常に視界は海の底、体全体が常に絶頂の中、全体から吹き出しているものがもう汗だか唾だか涙だかもわからない状態。視界から察するにかろうじて立っているらしいがどう踏ん張っているのかすら不明。四つ足になりたい、寝そべったまま這いずりたい。操り人形のようにくずおれたい。オートマタのように停止したい。いつになったら人間から離れられるのだろう。いつになったら。
    暫く目を閉じ、次に開いたときには荒い息 でズボンを脱いでいた。意味などない。邪魔なものは、要らないだけ。ついでに下着も。どろどろと張り付くだけで仕方がない。そこに文章として淫らなものだけが残るとしても、それはそれで、いい。なんでもいい。
    多分あたしは還神だ。きっとまだ、還神なのだ。だから覚えていなくても、そこに何もなくても、さっきした事はきっと、還神としての任務の何かに過ぎないはずだ。そう。タイリョウサツリクとか、そういった大層なものでは、ない。還神はもとから何かを殺すのが仕事だ。仕事が殺戮で、それは大した事でもなんでもない。した事の大きさは、返り血の量に比例しない。なら、大した事をしたいのなら、何をすればいい。大物になりたい人間は、何を積み重ねてきた。歴史だの死体だの愛だの を積み重ねて、一体何がしたい。自分が自分でいるための答えなど、ない。自分が自分でいないためには、何をどうすれば、いい。答えなど、いらない。今更見栄えも何もなかったのに、上の服だけは脱がないでいた。単に上の方は既にぼろぼろで、熱くなかったのかもしれない。そうしていて気づいたのは、腕やすり切れた服越しの腹から伝わる柔らかい葉の感触。少し視線を上げると、草原は夜の濃縮した色の中で、さわさわと海草になって揺れていた。なるほど、ここにはきっと、誰も来ない。テトラポッドなどなかった。
    ふと思い立つ。人間でないものなら、獣になればいいと。
    女という生き物は楽だ。自傷をしなくても、ナイフを振り回さなくても、誰か恋人を突き放さなくても、傷つけてほしけれ ば、いくらでも格好の的になれる。人間の起源は確か猿だったが、獣類の血をどこかでひいていたっておかしくはない。少しでも人の溜まる見通しの悪い場所に深夜零時以降、女が薄い服装で彷徨っていれば、男がどんな眼をしながらどんな行動をするかなんて、知りすぎているほどに知っている。そんな、いつか焦がれていた気がする人間の悲しい性が、一瞬だけ浮かび上がった気がする。阿呆くさい。馬鹿馬鹿しい。全身の震えを隠すように片腕で庇いながら体を起こし、あの穢れきった世界へとワープした。視界は常に、海の底。

    妊娠した事がある。未知数だったのに、初めてだったのに、あたしは人間の体として、いとも容易く妊娠した。避妊の概念を知ったのは随分と後だった。しかし、その場凌ぎ にすぎないと思った。人間の種としての本能がアイデンティティをもってして、自分の何かを残していきたいなんて思う事より強い事など、ない。そんな意志に容易く打ち勝つものなどあまりない。人間こそ気づかないが、それが神でさえ、だ。行為は簡単なのだ。意志をもって女の性器に男の性器をぶちこめば、するもんは、する。あたしの場合、人間相手ではなかったが。吐き気がした。物理的にもしたが、異様な感覚に動けないまま腹が膨らんでいく感覚に、吐き気は増した。捨てられた人間の女の気持ちまでは汲めなかったが、相手を責めても事態は取り返しがつかないのだという事だけは理解した。相手のあの、常に頭が聖なる夜の黒髪ロリコンの顔を思い浮かべたって、助けてくれるはずもない。どうし ようもないのだ。限界に達したとき、やはりあたしは無理をして暴れるために外へ出た。わざとまだ力の有り余っている神のもとへ行き、散々に地面に叩きつけられるよう動いた。腹の中は掻き回され、何かを潰すためのぐしゅぐしゅとした感覚が、ずっと響いていた。何度か腹を蹴られた瞬間は、腹だけ持っていかれるような衝撃に、背骨を軋ませた。最終的に仕事として命を奪ったとき、自身の腹も潰れているのを確認すると、自身の心も潰れたようにせいせいした。あたしはお前を殺したが、お前はお腹の命を殺した。ようやく勝った心地がした。すぐ後にあたしの中から出てきた得体のしれないドロドロトシタモノに、あたしはまた吐いた。あたしの父母は自分たちが気持ちよくなる事で、こんな塊をあたし の形に捏ね上げて産み落としたのだ。生きている心地がしなかった。それでもあたしの方が酷い。結局、あたしの子は自分が殺したのだ。それが命に見えなくても、あたしは結局殺すのだ。死んだように眠った。やはり死ねなかった。
    それからあたしはさほど簡単に孕まなくなった。体が変わってそうなったとしても、腹に一発衝撃波でもぶち込んでおけば事は済むと、学習した。あたしはどんなに頑張っても人間じゃない。そうする事で毎回、産まれる前の自分を殺すようなイメージに、酔っていたのかもしれない。

    できるだけ暗いが街灯のある、少し入り込んだ都会の通りを想像した。おおよそその通りの場所にあたしは着いていた。風のせいか死ぬ間際の感覚からか、寒くてしゃがんで縮こまった。程 なくして、それはやってきた。
    「ねぇ君、そんな寒そうな格好で、どうしたの?」
    大勢いたが、特定の服を着ていないあたり警官ではないとわかり、ほっとした。いくら人間相手といえど、あれは面倒だ。ちらと覗き見るだけでも彼らの顔は赤く、出来上がっていた。こんな時間だし、とか家出したの、とか、建前にお決まりの会話をいくつかした。あたしの服がぼろぼろであることに気づいているらしい奴もいて、しきりにちらちらとこちらを伺っていた。視線を合わせ、挑発的な目で少し脚を開き、履いていない事がわかる程度に捲ってやった。一瞬、そいつは頬を朱に染めた。そいつがボス格らしき男に耳打ちし、そのあと奴らはしばらく何かを話し合っていた。やがてそのうちの一人にホテルに連れてい かれた。流石にこんな事までする手前、経験のあるやつは少ないのだろう。あたしを連れてきたその一人目は正直下手だったが、されるがままに適当に感じているふりをした。二人目、三人目と話に聞いていないまま次々と入れ替わりにやってきたが、特別驚きもしなかった。履いていない事くらい入れ知恵はされたのだろう。やたらビッチという言葉ばかり使って、要約すれば最初からこうしたかっただけなんだろうという内容でひたすら罵り、何かを焦るようにろくに前戯もせずに入れ、あたしも気持ちいいと決めつけてくる頭の足りてない奴もいた。憐れみが一瞬愛おしさにすら変わった気がした。出ていく頃にはそいつの事も忘れていたけど。最後に出てくるボス格にしようかとかぼんやりする頭で考えては いたが、中程になかなかやり手らしい奴がいたので、そいつにする事に決めた。今日のあたしはなんだかせっかちだった。
    「……そんなんじゃ、足りないんだけど」
    股を開かせ乳首をつねる奴に、できうる限り目つきを冷やかに、そう言い放った。一瞬だけ身じろぎし、手の止まった奴に、あたしは貪るようにキスを与えた。舌の柔らかさを堪能させるように動かした後に放し、腰を動かしながら奴のそれを自身の太股に擦り付けた。
    「だらしない。あたしをいいように犯すんじゃなかったの?」
    手を止めてはいけない。官能に必要なのは、放心状態を保つ事。そのまま股の柔らかさを使い、それでも少しあどけない感じに手で扱きながら、ぱんぱんと腫れ上がってきた頃に一気にそれを口内へ放り入れた。 奴は一瞬だけ声を殺した。それだけ強がっていても、結局男だって欲しい欲しいと主張するために大きくするのだなとか、どうでもいい事を考えた。男は放出すれば終わりだもんな。欲すら、何もかも。そのまま一度射精させた後、あたしは口を拭い、自身の溢れるそこを見せつけた。
    「入れたいの? こんなのなくても、勝手にイってたくせに?」
    明らかに力の差のある相手をいたぶるのは楽しかった。男性の嗜虐心というのも、こういうときばかりは少しだけわかった気になる。もし力に任せて何かをされたとしても、人間の男相手であれば恐らくどうとでもなる。彼らの世界では奇怪現象として処理されるかもしれないが。奴の太股に跨り、胸に顔を押し付けさせた。そのまま乱暴にしてくるのに任せて、少 しばかり欲しがる仕草を見せながら、吸われたままどさくさ混じりのように入れた。男は大抵でかい乳さえあれば夢中になってしまうらしい。あたしが太股をなぞって欲しい事は、そいつですら気づかなかった。奥まで届いた頃には処女じゃない事も、どうでもよさそうだった。呆けた表情を見る限り、気づいてすらないかもしれない。相手が乗り気なのが少なからず嬉しかったのだろうか。ヤリチン。お腹の熱さを楽しみながらも、あたしの方はいつものように浸りはしなかった。右手に力を込めた。あたしにもう少し力があれば、喉元に食らいつくのも美しかったかもしれない。男の人の、喘いで上を向いたときに浮き出る鎖骨と筋肉と、性器の先を連想させるような喉仏が好きだ。しかし今からやろうとするこ れを喉元にぶち込むのは多少現実味がない。痛み分けならやはり腹だろうか。そういう嗜好を慈しむような浸り方は、頭の中をぐちゃぐちゃにされずに済んだ。いくら水中のように電気を流し込まれようと、水底はざわつかなかった。今なら太股にキスをされようと、平気な気がする。あたしも少し強引に体を上下させる。下腹に力を入れ、膣内をうねらせる。更に息遣いが荒くなってきた。一番奥で揺するように震えられると、多少あたしも夢心地になった。語られた星の事を、思い出した。何に引き寄せられて、人はこの行為に没頭するのだろう。星が舞うような脳内で、天高くうずまく塵と埃とガスに交信でもしているつもりなのだろうか。コウノトリなどいない。女性の膣は、ブラックホールじゃない。
    「 ねぇ、気持ちいいの?」
    あたしは悲しい。
    喉仏が天を衝いた角度は思うより緩めだったが、衝動に任せてあたしは手を奴の腹にぶち込んだ。もちろん腕力以外の力を借りたそれは、容易くこの世界では有り得ない光景で貫通する。肉や腸の感触より何より、骨の感触が痛かった。あたしの腕も相当怪我を負った。あの銀髪の亜空とかいう子の嗜好に同情まではできなかった。その一瞬にあったのはまた殺したという些細な達成感だけだった。手を軽く数回握る。血液はべたついて、ぬめる。人間の生身の温かさは、ただただ気持ちが悪かった。
    淫夢と悪夢を融合させたのは初めてだった。エログロ。でも結果は残念だった。綺麗さとか性欲を掻き立てるものは消え去り、腕の突き刺さった人間は、自分の感性に 合わない芸術作品のような歪さだった。有り体に言えば、罰としての鉄拳制裁だろうか。レイプを心から良しとする女の子なんて、多分存在しないし。可愛くなれない女の子などいないとかいう台詞くらい根拠が薄い。あとは脱ぎ捨てられた下の服を頂戴して実際怪我もしている腕に巻き付け、それっぽく逃げるだけだ。目的などない。しかしそんな計画性のない行為が、何の波乱もなく事を得ることもなかった。
    「お前は、一体何者だ?」
    いつのまにか部屋の中に入ってきていたボス格が、動揺は隠しきれていないものの、多少は頭の足りてそうな様子で問いかけた。もっといると思っていたのだが、既に次はこいつで最後だったらしい。哲学的でなくても、存在を問われてあたしは少しだけ我に返れた。確か ビッチというのは汚い女を指す。あたしは汚れていたんだ。
    「星の寿命は決まってるんだよ。この星もね」
    言葉が先だった。言ってから気づいた。寿命、か。
    まっすぐに目を見つめ返したまま、事もなげに退出しようとした。当然のごとく強い力で腕をつかまれる。今出せる全身全霊の力で股間に蹴りこんでやった。こうするのは初めてではなかった。綺麗に決まるとやはり気持ちのいいものである。格好がついたと勝手に自己満足して、もうその後の事はどうでもよかった。
    「君のお仲間には少々早めに寿命をまっとうしてもらっただけ。まぁ、報いとしては当然だよね」
    この男を殺すべきかよりも先に、あたしの思考は流れ星の行きつく先を捉えるのに似ていた。気づけば呻く男を横目に、あたし の二本足はもつれながら、外へ外へと競っていた。

    油断した心の隙間に、焦がれるように星を思い出すようになっていた。あたしに星の事を教えた人がいた。
    寿命は終焉と同義だ。
    寿命があるのにどうして生き延びるのか。
    全てを精一杯生き抜くために、無様に意志を燃やして輝いている。理由などなくても。
    彼は格好もつけずに清々しくそう語る、神という名の人だった。テトラポッドの存在意義は、ただそこに在るだけ。
    夜空には月がある。満月の夜にはその光で、全ての星々を覆い尽くすだろう。
    あたしはそういうモノになりたかった。
    人間になど、焦がれてなれるはずもなく。人間の体は、思うよりかはしぶとく頑丈で。
    あたしの欲しいものは子作りに惹かれあう愛でも何億年の 努力を経た一瞬の輝きでもなく、単に永遠の別れらしい。
    繰り返す行為には、やがて意味が与えられる。それが殺戮くらい理由のない事でも。

    あたしは清廉潔白なあの人に何がしたかったのか、少しだけ気づいてしまった気がした。

     

    一応のっけとくよ

    • 2016.03.10 Thursday
    • 00:22


    なぜか猫ランジェリーをもうしわけていどに履く楓ちゃん。

    【※R-18注意※】チョコをあげる日

    • 2016.03.10 Thursday
    • 00:10
    まさかのバレンタインに渡したものをホワイトデー直前にここにあげるというこの所業ね。

    なんかついったーに絵とかあげてた淫魔ちゃんのガチ義理チョコの話のつもりです。
    お相手はやっぱりせぐちゃんとこの子です。いつもありがとうございます。

    因みに実際はもう少し態度は柔らかめだと思うってせぐちゃんにいわれたおくにさん。
    ニコ中なのでニコチンが切れたおくにさんということになってます(

    せぐちゃんとは現在何かをずっとだらだらと企画してます。
    今のところわたしはなんか告知したいと思ってる。すれば尻叩きになるんじゃないかと思ってる。
    でもとりま相談してないし多分わたししか思ってない。
    まあ忙しいしね。そのうちかな





    「相手になって」
    「代わりでいいから」
    「童貞卒業させて」

    ……そんな言葉聞き飽きたと告げることにすら、飽きてしまったの。

    地上からは鳥ほどにしか見えない上空を滑空しながら、たまにそんな物思いに耽る日々。


    「楓ちゃん、楓ちゃん」
    声をかけられて、はっとする。そういえば、”お会計”がまだでした。
    きつい脂汗と微かな加齢臭のする身体を隠すように羽織った服を、ボタンまできちんと整えて、振り返る。
    「はいはいー、ほんとはお金なんていらないのになぁ、なんて言われたらお客さん、最高ですかぁ?」
    突きつけられてる万札数枚を目の前に、たまに零す冗談を口走る。
    事実、本当にいらないけど。
    「またまた楓ちゃんはそんな冗談をー。そんなこと言ってもこれ以上はお金増やせないよー」
    「いやいやそんな〜、もう皆さんからたんまり貰うので、使い道に困るくらいお金があって楓困っちゃう〜」
    「もう、楓ちゃんは……そんなこと貧しい人の前で言っちゃ絶対だめだよー? この国にはいっぱいいるんだから……」
    常連さんだからできるいつものやりとりだから、聞き流す。
    実際は顔に飛ぶ唾から早く解放されたいだけ。
    いい歳こいたその男も、わたしがぼーっとしてる間にシャワーを浴びたのだろう。まだ水滴の目立つ身体に羽織っていただけのシャツをきちんと直すと、帰り支度に鞄を漁り始めた。デスクワークなのか、その男の荷物はいつも多めで、そこそこいいとこには就職しているのだろう。
    「はい、これ」
    そして本当に帰り際に、ぽいっと手のひらの中に何かを転がされた。
    飴ちゃんだ。
    意外に包みがカワイくて、それだけでこのおっさんが憎めないわたしは、多分安い。
    「いっつも内緒で中出しまでさせてくれて、気持ちよくしてくれる楓ちゃんに何もしないなんてできないからさ。それくらいだったら貰ってくれる?」
    そう言い残して、その男は笑顔でわたしの部屋を出て行った。
    「あ、その飴ちゃんミロキーっていうんだよ。僕のおちんちん汁の塊だと思って食べてね」
    ……やっぱおっさん二度と来なくていいです。

    「はぁー……」
    急いでシャワーに行って気持ち悪い身体を流したあと、ゆっくりベッドの上で伸びをする。
    さっき確認したら今日は次のお客さんも入れてないみたいだ。
    最近は仕事も増えてきたのに、珍しい。
    その分、荒れているお客さんも多い気がするけど。
    ……やっぱりこの前の事件のせいだろうか。
    なんだっけ、処刑されたはずの騎士団長さんが化けて出た、だっけ。
    何それ絶対ありえない、と見に行かなかったし、詳しいことはよく知らない。
    でもその事件の後から、なんだか「神がいる」だのなんだの、街の人がよく騒ぐようになった。
    治安も悪くなった。
    こういう風俗店のお客も、増えた。
    経済とか難しいことはわからないわたしに関連性はわからないけれど、お祭り騒ぎがあるとついでのようにセックスしたくなる心境と同じだったりするのかなぁ。
    それともこういうご時世で、やっぱり皆別れたり離婚したりしてるのかなぁ。
    そんなことで別れるくらいなら、最初から付き合わなければいいのに。
    ……考えていても暇になってきてしまったので、散歩に出ることにした。

    相変わらず街は騒がしい。活気があるというか、変に熱があるというか。
    あまり好きじゃないけど、嫌いでもない。というかこの場合、慣れたのかな。
    とあることを思い出して、足は自然と騎士団の方角へと向かう。
    その通りの色とりどりのバザーの物品を適当に物色しながら、本当にのんびり歩く。
    最近はアクセサリーや小物類が多く、見ているだけで飽きないラインナップとはこのことだろうか、ってくらいの品々がずらりと並んでいる。奇妙な顔を象ったものとかも増えたけれど、まだまだ可愛いものも多い。
    あ、このアクセサリー可愛い。買い、かな。……うん、あんまり衝動買いはよくないね。
    そうこうしてるうちに、荘厳たるお城と、そこに併設する騎士団が見えてくる。

    当たり前のように騎士団の門番さんが見えてくる手前あたりで、くるりと左折する。
    そのまましばらく、住宅街の通りを横目で見ながら、お城の横を歩く。車が通るだけで、特に何もない。
    そうすると、意外と知られていないお城の裏側にたどり着く。
    そこまでくると、わたしはその辺の壁に隠れがちに、ひょっこりと顔だけ出して様子を覗き見る。
    ……ここは牢屋の付近だ。だからいつでも24時間、監視の兵士さんがいる。
    以前のわたしは興味本位だけで何でこんなとこに来たのだろうと、思えば呆れる。自分の暇人根性みたいなのに、笑ってしまう。
    兵士さんがこちらを窺わない隙を狙っては狙っては、少しずつ、近づいていく。
    そしてあと数歩踏み出せば届く数mの距離。あと少しだけ、様子を窺って。
    「はい、おやすみなさーい」
    ぽふん、と一度に2人の兵士さんに催眠をかけてしまう。お腹は満腹に近かったし、力を使うのは他愛もなかった。
    わたしの催眠だとエッチな夢を見て、起きた時に毎回大変なことになってるのかもしれないけれど、まぁ気にしない。
    そもそも定期的に寝ている見張りの兵士さんなんてとんでもない問題になってそうだけど、それも気にしたら負け。
    そしてわたしは堂々と牢屋の中に入る。
    監視カメラとかはないみたいで、一度も追いかけられたりしたことはない。

    牢屋の中の人たちは、長く投獄されている人達ばかりなのだろう。皆寝ていたり胡乱な目つきをしていたりで、わたしがこうして何気ない顔で入ってきても、一度も驚かれたことはなかった。
    そんな中、彼は今日もそこにいた。
    彼は眠っていた。これもいつも通り。
    「おくにー、起きてー」
    ぴくりともしない。いびきもたててない。カシャカシャと軽く音を立てながら、わたしは引き続き手すりを揺らす。
    「起きてー、おきてよー。おくにー? おじさーん?」
    しばらくそうしていると、カシャリとわたしが立てた音じゃない金属音がして、低い唸り声と共に目の前の男が目を開ける。
    「……んァア? 誰がおじさんだ……」
    「だっておじさんっぽいんだもん。なんか」
    「俺ァまだまだ現役だァ……ぐがぁ……」
    「そんなばればれのいびきかかなくていいから起きてっ! ワタシと話すの!」
    かくいうわたしも彼の前だと、年相応の子供になっている気がする。
    足につけた錘と手首につけた枷をカシャリカシャリと鳴らしながら、目の前の男はゆっくりと体を起こす。更にしばらくしてまだ眠いだの寝かせろだの文句を言いながらも、おじさんことおくには起きて、姿勢を正してくれる。
    「……で? 今日は何しに来たんだ、ガキ」
    「ガキじゃないもん! 立派に今日もお仕事してきたもん。ほらこれ見て見て! 綺麗でしょー」
    さっき結局バザーで買ってしまった、青い石が埋め込まれた腕輪を見せる。
    「はぁ。……まだまだ安モンだなぁ。ガキにはお似合いかァ」
    「たまたまこれが可愛かっただけだもん。ほんとはすっごく稼いでるんだからね!」
    かっかっか、と笑うその声も、わたしをガキだと相手にしないような態度も、全くいつも通りだ。もちろん腹が立つこともあるけれど、なぜかこの人は本当に憎めない。
    身体の付き合いがないと、変な感情を持たずに済むのだろうか。
    それからは、日々の仕事の愚痴だとか、日常の何気ない出来事だとかを、ほぼわたしが一方的に話す。
    何度言ってもわたしがこの歳で売春してることとか、そのおかげでめちゃくちゃ稼いでることとかは信じてくれないけれど、なんだかんだ茶化しながらも聞いてくれるから、おくには憎めないのだと思う。
    わたしにとってはとてもいい暇つぶしの相手だった。
    「でね、帰り際にそのおっさんが飴ちゃんくれたの。はいこれあげる」
    「いや、なんで俺なんだよ」
    「だって貰えないもん」
    どこかの飲食店のバイトだと信じきっているおくにには言えないけれど、あんなこと言われたら気持ち悪くて貰う気になれないというのが本音。
    「なんで?」
    「……。悪いから」
    苦し紛れにそう答えたわたしを、おくにはまたかっかっかと笑い飛ばした。
    「……なんだかんだ、大事にはされてんだな」
    そうなのだろうか。
    度々おくには心配でもしてくれてるみたいにそう口にするけど、どうもそうは思えなかった。
    確かにわたしにも得るものはある。でもきっと、大事にされているというのとは違う。

    おくにに年相応だと思われず、信じてもらえないのは、わたしがまだ12歳だから。
    確かにまだまだガキだ。
    でもそんなわたしが売春をしているのは嘘じゃない。
    理由はちゃんとある。……わたしが人間じゃないから。
    わたしは俗に言う淫魔と呼ばれるような類であると、自分を認識している。
    要は生物の精液や愛液など、エッチなことをしないと分泌されないモノでしか、栄養を取ることが、基本できない。
    基本というのは、一応普通の食べ物は食べられるけれど、とんでもなくわずか。それ以上口にすれば体が受け付けなくて吐いてしまう。
    親に育ててもらった記憶はあるけれど、そこから先”食べていく”のは、本当に大変だった。
    そんなわたしがある程度の歳になって、頼み込んでまでついた職業が、今の職業だった。
    生まれ持った素質が功を奏したのか、ある程度の仕事もすぐもらえ、食うに困ることはとりあえずなくなり、だいぶ安定した。
    あまり使わないお金も、びっくりするほど入ってきた。
    たまたま雇い主やその周りの人は、わたしが捨て子で本当にお金に困っているのだろうということでとても良くしてくれたけど、もちろんそんな歳で売春をしている生娘が理解されることは、ほとんどなかった。
    別にそんなことは最早気にならなかった。
    子供の産めない私たちはまず種族からもバカにされていたし。
    因みに人間は逆に女しか子供を産めないらしい。……人間はつくづく不思議な生き物だと、思う。
    でもそんなことよりもわたしが憶えていったのは、男の人が女の人をみるぎらぎらとした目線と、そこからくる底の知れない乱暴さだった。
    どんなに温厚に見える人でも、本気でエッチすると人が変わることは多い。昼間のおっさんも割と例外じゃない。
    そういう時の男の人は、最早女の人が気持ちよくなることなんて、微塵も考えてない。
    自分の欲望が満たされれば、気持ちよくなれれば、引いては中出しできればそれでいい。
    そもそも求めてないけど、そんなんじゃ気持ちよくなれない。
    乱暴にされてもほんとは痛いだけ。
    だからわたしは、毎日セックスしていても、一度もイったことがない。
    セックスでイくってどういう感覚か、よくわからない。
    それでも感じる、気持ちよくなるってことはここ数年でだいぶ覚えてきて、感じるフリもだいぶ上手くなってきたと自分では自負している。
    実際雇い主さんも言ってくれた。
    雇い主さんとも今までめちゃくちゃセックスした。
    道具の使い方も玩具の使い方も教えてくれた。いっぱいいっぱい乱暴された。
    その結果、わたしはこの仕事で食べてきている。

    「…………じになんてされてないよ」
    呟く。おくにに聞こえているかどうか、わからないくらいの声で。
    「……? まぁなんにせよ、」
    こういう時のおくにの声は優しく諭すようで、世に言うお父さんを少し連想させた。
    「ガキが『悪い』とか遠慮するもんじゃねーよ」
    ……その手は届かないのに、動かせないのに、声だけは優しく。
    そんな優しさはわたしの記憶の中にはない。
    だから感じ取れるのは、届かない切なさだけ。
    「でも要らないもん」
    冗談はベッドの上だけにして欲しいわたしにとっては、不要。
    「頑固だなぁ。他に理由でもあんのか?」
    「お客さんはお客さんだもん。お金以外は貰えない」
    嘘。染み付くような嘘。口から滑る、嘘。
    「……なるほどなぁ。確かにそれもそうだな」
    合理的なことを言っておけばおくには真剣に納得してくれる。例え嘘でも、おそらくばれてない。
    彼のそういうところは嫌いじゃないけど、好きでもない。
    ご飯を貰っているのは、わたしの方だというのに。
    感謝しないといけないのに。
    そんなこと思っちゃ、いけないのに。
    ……嫌だなぁ。
    甘く柔らかな記憶は、全てわたしの闇の中でうずをまく。
    こんな本音は、いくら彼の前でも吐きたくないの。
    「……わたし、そろそろ帰るね」
    結局一方的に告げて、逃げるように帰った。
    なのに届かなかった手が欲しくて、ほんの少しだけ子宮の奥が再度甘くうずいた。

    ……思えばその日は既に新月に近かった。
    わたしだってイけない分、女としてうずくことはある。
    最近はどうもその収まりが悪いと思ったら、呆気なくその夜は来た。
    この前おくにとの別れ際でそうなったのも、それが原因なのだ。
    だから、きっと。


    「……こんばんは、おくに」
    雨が降っていたのをいいことに、隠すものを隠すためレインコートを着ていった。
    おくには珍しく起きていて、わたしの姿を見るとぎょっとした顔をした。
    目の色が違うからだろうか。それともやっぱり雰囲気もちょっと違うのかな。
    「どうした……? 具合でも悪いのか?」
    そう見間違える程度には様子がおかしいらしい。
    「そしてなんだ、その背中の荷物は」
    あぁ、と後ろにちらと目をやる。膨らみを帯びた背中は傍から見ると小学生の鞄に見えなくもない気がした。それはちょっと嫌だなとか、状況にそぐわず思う。
    「あー……えへへ。仕事帰りだから。気にしないで」
    明らかに訝しむ気配を強くする彼をよそに、わたしは彼に背を向けて腰を下ろす。
    いつ暴発するかわからない手前、なんだか直視出来なかった。
    なのになんでこんな夜に、彼の元へなど来たのだろう。
    「今日は月がきれいだね、おくに」
    その言葉の真意を知らないままに、わたしは軽く口にした。
    「……、……今日は月、出てないんじゃないか」
    少し身を乗り出して外を確認するような気配をさせた後、彼は応えた。
    「あはは、せいかい。ほんとは今日は月なんて、出てないんだよ」
    「……お前なんか、今日はおかしいぞ」
    「いつもじゃない? おくにもいつもおかしいもん」
    「お前な……、……?」
    その時の一瞬の間で、わたしは彼に背を向けたことを後悔した。
    見られてどうというわけじゃないけど、普通の女の子と思われているなら、そのままそうしておきたかった。
    「羽……?」
    ばっと、彼のほうを向いた。
    このときわたしは、どんな顔をしていたのだろう。
    「……おくに、食べ物だったら何が好き?」
    「またいきなりだな。……うーん、ここにブチ込まれてから似たようなモンしか食ってないしな。……ラーメンとか?」
    「そうなんだ。うん、ラーメン美味しいよね」
    苦し紛れに振った会話は、そこで途切れてしまう。わたしはもうそんなに、心ここにあらずだろうか。
    「わたしもね、好きなもの、あるよ」
    「ん? ……そうか」
    「すごく苦くて、でもたまに甘くて、すごく美味しいの」
    「……うん」
    黙って彼は話を聞いてくれた。なんだか気を遣われている気がする。
    「でも美味しすぎてどうにかなっちゃうかもだから、おくにには教えてあげない」
    「……そうか。残念だな」
    でもそんな風にそっけなくされるのは、なんだか寂しくて。
    「……おくに」

    「……え? ……!?」
    やっぱり気づいていなかったらしい。目の前の光景に彼は狼狽していた。
    彼の前では深夜勤の監視兵が、おぼつかない目つきで施錠を外していた。
    「うん、それでいいよ。あとはゆっくりおやすみなさい」
    わたしの声と共に、兵士さんはその場に崩れ落ち、眠り込んだ。精々これから際どい淫夢でも見て、夢精するのだろう。
    「お前、何を……っ」
    おくには流石に不審がって、わたしを睨みつけた。
    なんだかそれだけでもぞくぞくしてしまう辺り、わたしは歯止めが利かなくなりかけていた。
    「だいじょうぶ。鍵はあとでちゃんと掛けてもらうよ。それより、」
    わたしは彼に詰め寄った。
    「おくににね、ずっとちゃんと触ってみたかったの」
    わたしから殺気は感じられないからか、おくにはほんの少しだけ安堵した様子を見せる。
    「……お前な……俺は悪いことして閉じ込められてんだぞ。こんなことして、何されるかわかんねーぞ」
    「別にそんなの関係ないもん。おくにはおくにだもん」
    そういうことじゃなくてだな……と呟くおくにをよそに、わたしは更に彼との距離を詰める。

    その目をじぃっと、見つめた。
    思いのほか、その目はしっかりと見つめ返してくる。
    吸い込まれそうな、空間。

    雰囲気に駆られて催淫しようとしていたわたしを、残り僅かな理性が制止する。慌てて首を横にブンブン振った。
    「……わたしね、おくにと、したいの」
    「はぁ? ……何を?」
    「えっちなこと」
    ますますはぁ?という顔になる彼。
    確かに昼間までの冷静なわたしが見ても、首をかしげるような発言。
    しばらく考え込むような顔をして、彼は再度口を開く。
    「……そういうことは、誰と、どういうときにやるのか、ちゃんとわかってて言ってるのか?」
    「わかんない」
    普通の人の性交は、わたしに知る由がない。
    「なら断る。仮にわかってたとしても、だめだ」
    「どうして」
    「……はぁ。お前のことそういう目で見れないから」
    「わたしがロリだから? そんなのシちゃえば関係ないよ。そんな風にわたしはいっつもシてるもん」
    ふぅー、と彼は大きく息をつく。大分呆れてはいるだろうけど、彼は彼なりに考えて、きちんと言葉をくれる。真剣に目を見て話すと、何を馬鹿げたことをとあしらったりはしないようだ。
    「……俺は出来うる限り、そういうことは恋人としたい」
    「こいびと」
    「そ、恋人。もしくはそういう関係になりそうな人としたい」
    「……」
    わたしはおくにと恋人になれないのだろうか、と何の気なしに考えて、少しだけ我に返った。
    わたしはきっと、そういう感情を持っては、いけない。
    なぜならこういう風に、誰でも彼でも性を貪りたい時が、あるから。
    「お前がそこまでの気を持って言っているのなら、謝る。けど悪いが、俺はお前にそういう感情はない」
    「…………」
    経験がないことにただなんて言っていいかわからないわたしの頭に、彼はジャリジャリと音を立てながら、軽く拳のまま手を置いた。
    「今日は帰れ。きっとお前、具合でも悪いんだよ。早く帰ってゆっくり寝ろ」
    今度はその指を、見つめた。
    暗闇に白く浮かび上がる、少し痩せて頼りない、石膏のように綺麗な指。
    その指を咥えることができたなら、どんな味がするのだろう。
    「……わかっ、た」
    やっとそれだけ言って、わたしはふらふらと立ち上がった。
    もうきっと限界だった。
    おぼつかない足取りで牢屋から出て、かろうじて兵士を起こして最初のように鍵だけ掛けさせる。
    牢獄の出口までたどり着いたあとは、わたしは走り出していた。
    焼き付くように頭の中に名前だけが渦巻いた。
    おくに。
    おくに。

    五、六人の男を手当たり次第に人目のつかないところで搾取した後、わたしは郊外の公園の、電話ボックスに背を付いてへばりついた。
    あがった息が止まらない。こんな夜でも、どれだけ食事をしても達せない自分が恨めしい。
    けれど。
    「おくに。おくに……」
    頭の中で渦巻いていただけの名前を、ようやく口にした。
    気持ちよくなりたいだけのために、呼んだ。
    背に当たる壁は雨に濡れて、あの鉄格子みたいな冷たさだった。
    「んっ……」
    レインコートの下のボタンだけを外し、スカートを下に下ろし、下着の上から秘部を指でなぞる。
    グチョグチョに張り付いたのが気持ち悪くて仕方なく、それもすぐにそのまま下におろす。
    同じく外気は湿っているはずなのに、少し冷たかった。
    「んんッ……」
    男達に蹂躙された潤滑液とこの夜に伴う発情で入口は開ききって、淫芽は上を向ききって、指二本くらいすぐに入った。
    ナカに入れてかき回す。きゅうきゅうと締めつけはするけれど、それだけじゃ男達の怒張がすることと変わりないので、次第に微妙に角度を変えたり、クリを摘んだり、工夫をする。
    「んんはァアッ……」
    自分でもあまりしょっちゅうするわけじゃないのに、わたしはいつも以上に声を上げていた。
    いつしか彼のあの細い指を思い出していた。
    あの指をここで咥え込んだら。
    あの指がここをそっと撫でたら。
    あの指で激しく奥ばかり突かれたら。
    あの指が。あの指が……
    「んアッ、んはぅうッ…! やぁッや……ッ」
    妄想しながらするなんて、初めての行為だった。
    なのにいつも以上に奥がじゅくじゅくして、顔は熱を帯びた。
    さみしくなる。せつなくなってしまう。助けを呼ぶように、名前を呼ぶ。
    「おくにっ、おくにぃ……ッ」
    彼の低音が耳元で囁いて、ひたすらわたしの奥を抉る。
    処女膜なんてもうないのに、ひたすら、ひたすら、抉る。
    彼のおちんぽはとっくに硬くなりきっているのに、それでも指だけで、わたしを乱れさせる。
    わたしを見て。わたしの姿だけを、見て。
    それが彼を激しさに導いて。
    指が壊れてしまうまで、溶けてなくなってしまうまで、踊る、踊る。
    「ひぃあッ、ひゃッアァッ、お、くにぃアァアッ……!」
    思わず膝を折る。
    でもこんなに弱々しい声を上げても、彼がここに訪れることはない。
    その手は、届かないまま。
    でもそんな風に切ないままじゃなきゃ、わたしは最後まで辿り着けない。
    「んンゥゥッ、んぶッ、ふぅぅンッ!?」
    声を出しすぎている気もして、恥ずかしくて。彼のその指を食むように、しゃぶる。
    でもその唇を擦る行為はあまりに刺激が強かった。だめ、きちゃう、きちゃうっ……
    「んふんんンンンンンッ―――!!」
    地面に透明が弾け飛んで、彼の指が本当に壊れ、崩れ去る。
    ……しばらく余韻が収まらず、寒いかのようにひたすら震えた。
    ぺたんと、尻餅をつく。
    気づいたら彼はもういない。夢に崩れ去った後だった。
    震えが止まると、わたしは呆けた。
    こんなに虚しい思いをする自慰も、本当に久々かもしれない。
    ぼーっとした頭で、考える。
    わたしはいずれ、誰かと普通にえっちをしてみたいのかもしれない。
    ご飯の為じゃなく。欲望の為だけでもなく。
    普通のおんなのこみたいに、誰かと激しく想いをぶつけあうだけの、えっちを。
    ……ばかばかしい。と頭の中でもうひとりの声がそれを打ち消す。
    全てどうでもよくなって、風邪を引くかもしれないことも忘れて、そのまま眠った。


    それから数日後。
    「美味しいじゃん楓ちゃん! 今年はどうしたのこんなの作って」
    「えへへー。いつも皆にお世話になってるので、たまにはこういうのも、と思って」
    わたしは柄にもなくバレンタインチョコなるものを自作して、配っていた。
    いや、お客さんは例外なく自宅に来るし、途中から配らされたといってもおかしくないような状況になりつつあった。
    こういうの絶対めんどくさいと思っていたし、自分で作った料理を人に食べさせたことなんてそもそもなかった。
    ……例のおっさんにもこうして食べられているのだが。
    「ね、もいっこいい?」
    「だーめです。皆さんに配る分なくなっちゃいますからぁ。いくらいつも来てくれててもお客さんだけ特別扱いはしませーん」
    「ちぇー」
    お菓子は初めて作ったのだが、簡単なものにしたからか、今のとこ五人中五人に好評だ。
    これならきっと、大丈夫だと思う。
    おっさんが帰ってすぐ、そのひとつを綺麗にラッピングし、懐に忍ばせる。
    次のお客さんが来る時間を考えても、優に時間はあった。
    思いつきで行動するわたしは、空中散歩でもしてそのまま届けにいこうと、妙に浮き足立って家を出た。

    ……あんなことがあったからだろうか。
    牢獄はもう目の前で、監視兵さんもいつものごとくもう眠らせていた。
    なのになぜかわたしの足は震え、なかなか前に進めなかった。
    緊張? 今更。
    いつも通り彼に会って、いつも通りのノリでこれを渡せばいいだけだ。
    それとも、彼に変に思われるのが、そんなにわたしは怖かったのか。
    いや、そんなことはない。……その否定が引き金になった。
    やや大股開きでわたしは彼のいる牢屋の前まで歩を進めた。
    すうっと息を吸う。
    「こらーっ、おくにーっ! 外はあんなにも晴れてるぞーっ!」
    なぜか大声で叫んでしまった。わたしの存在くらいは認識されているのか、幸い他の囚人達が騒ぎ立てることはなかった。
    びくぅっ、と体をひきつらせて、急いで彼が体を起こした。
    「はいぃぃっ!? ……っ、お前かよ……やっぱ俺を殺す気か、あーびびった」
    「やっぱりとはなにさ、やっぱりと、……」
    そこまで言いかけて、ここに来たもうひとつの理由を今一度思い出した。
    「……おくに、この間はごめんなさい」
    「あ? ……あー、もう気にすんな」
    その後ため息をつきながらも、もう平気なのか、と一言、気にかけてくれた。彼の場合、自分ではその気遣いに気づいてなさそうだ。
    「それでね、今日はおくにに渡したいものがあるの」
    「なんだよまた……お詫びとかなら貰わねーよ?」

    「ん」
    ……あとは勢いだけで、その小袋をおくにの目の前まで軽く投げて転がした。

    「ん、……なんだこれ」
    それ以上はやっぱり気恥ずかしくて、後ろを向いてしまった。
    「ちょこれーと」
    「チョコ? 今日なんかあったっけ」
    「バレンタイン」
    「……あー、そんなんあったなぁ。そうか、今日なのか」
    何かを考えているのか、貰ったものを観察しているのか、それ以上おくにからの返答はなかった。
    ちら、と後ろを覗き見る。
    少し目が合ってしまい、なぜか慌てて目をそらす。
    「……お前が作ったのか、これ」
    「うん。お客さんに」
    「それで余ったのか。なるほどな」
    そこだけ自己完結されてしまった。なんかむかっときたので、最後まで目を合わせてやらないことにした。
    もう絶対作ってやんない、ひいてはもう来てやんない、と心の中で唱えようとしたそのとき、

    「ありがとう」
    ……その大切な言葉を大切に伝えるかのような声が、届いた。

    「てきとーに食っとくよ。ばれたらまずいけどな」
    言わなくていいことを付け足すところが、妙に彼らしかった。
    それでも一瞬振り返りそうになったけど、やっぱりわたしは振り返らなかった。
    それは、この顔を見られたくないというのもあったと思う。


    ……こんなのもう、してやるもんか。


     

    【※R-18注意※】続・夜に地を這う星の話。

    • 2016.03.09 Wednesday
    • 23:35
    また久々再開でこれの続きあげて最早なんの因果だよって感じだし最早なんのためにあげてるかもわかんなくてとりあえずねむい(









    かっこいい人とはもう付き合わないって、決めてた。
    顔とかだけじゃない。かっこよさっていうのは、指先一本の動きとか、立ち振舞いの中の腰の動かし方とか、その言葉による声のトーンの使い分けとか、そういうとこから一気に溢れ出てきて、フェロモンなんかよりもダイレクトにあたしの脳を支配するものだと思う。男っていう生き物は脳内麻薬を調節する信号みたいなものを携えているんじゃないかと思う。……あたしにしては難しいことを考えているなぁ、と思う。
    でもそうしないと、あたしの方だってもちそうにない。人の体温っていうのは確実におかしくなる。彼の高鳴りは、こちらに伝わっていないとでも思っているのだろうか。もう付き合わないって、決めてた、のに。トクトクというリズムがあたしのそれと重なった時、奥深くの透明な潮流のような何かがあたしを加速させる。熱い口内から流れる彼の唾液はやはりあたしのあたし自身じゃ届きそうもない部分を外から刺激し、疼かせ、体の表面の変化まで誘発させるのだが、それだけではやっぱり面白くない。休符が来たら一気に崩れてしまいそう。もっと奥で舌を踊らせる。水音が頭の奥で弾けるまでハーモニーを重ねる。右へ、左へと揺れる。揺れる。その揺れが、部屋全体だと、錯覚できるまで。
    「はぁっ、んふ……」
    視界が乳白色のベールで覆われていく、熱さ。星が渦巻いてばらまかれているような胸の焦がれが、ジィ、ジィッとノイズをあげて飛び始める。口で求め合うのは限界かもしれない。しかし舌は絡め合ったままで、彼の先を握る手を少しずらし、更に熱を求めてひくつく、あたしの入り口へと誘導する。グチュッと、響く。互いの唾液を交換しあうよりも、酷く、酷く、濡れている。それくらいは教えてあげる。
    「んんッ、んんッ……ッ」
    途端に加速する。欲しかったものが与えられたもどかしさに、身体は勝手にビクビクと悦ぶ。中には入れない。互いに互いを、擦るだけ。足りないの。まだ。まだ。全てを奪ったって足りない気がして、空しさの方が勝る。時折漏れる彼の吐息で、切なさに変わる。腕の筋肉の緊張を、あたしの指で解きほぐしてやりたい。その肩を抱いても足りない。ならばとかみちぎっても足りない。ぐちゅりぐちゅりというねばっこさが頭の奥で星を散らす。このままじゃどこかにいっちゃう。何も聴こえなくなったらいや。いやなの。どこに行き着くの。二人の行く先は、どこ? ふいにあたしじゃない熱がドクン、と波打って、
    「――――――ッ……!!」
    あたまのなかまで、かれが、しろく、よごしていく。


    「は、……は、は……」
    彼女が溶けて……入ってきた。
    ……男には、相手に入られる穴はない。
    ……あ、いや、あるけど……昨今流行っているらしいむさ苦しいアレとかは使うみたいだけど……
    明らかに普通は、女性には使わない。あくまで男は、入る側。
    …と、思っていたのは…どうやら撤回が必要らしい。
    「ん……蒼」
    少しずつ痙攣が収まってきたらしい彼女の髪を鋤くと、返事をするようにまた跳ねる。下に目をやると、無理もないが、いつのまにか彼女の事は下ろしていたらしい。怪我はしていないみたいだ。若干頼りなさげだが、その足はきちんと地面についている。よかった。
    ……なんだか、悔しかった。
    どうして彼女は立っているんだ。俺は今日こそはと気合いを入 れて組伏せに来たんじゃなかったのか。
    しかしだめといわれるとは心外だ。
    そんなこと言われるとヘタレはどうにもできないことを、彼女は……ああ知っている。よく知っている。だからこそだ。もう一度決意を新たにする。俺は今日、仕返しをしに来たんだ。
    「蒼……、だめ、なんだ?」
    やっと彼女は顔をあげ、俺の方を見た。呆けた表情は、微かに口元が濡れている。
    「俺のこと、呼んでたのに……だめなんだ……?」
    彼女が瞳を揺らした。少し戸惑い始めたようだ。いつものようないかにもヘタレっぽい視線でもなぜ効くのか俺にはよくわからないが、俺があまりに困っていると、彼女は動揺するらしい。俯きがちな視線を左右に振り、ぼーっとする思考で何か言おうと呟いては、また俯いた。 俺はそっと頭に手を置いた。ぁ、と彼女が安堵のような吐息を漏らす。今だ。
    「あ、っ――」
    唐突に、強く、強く、抱き締める。少しずつ腰のあたりを緩く撫でながらそうしていると、一瞬大きくびくりと跳ねた。敏感だ。やっぱり、お前も達してるんじゃないか。
    「俺は……切ない、な……」
    背中の浮き出た骨をなぞり、耳元で囁く。脇に軽く指を入れ、肩を指先だけでくすぐり、尻を手のひらで軽く押す。愛撫という言葉の響きを、今できる最大限の表現で活かす。ヘタレで乱暴にできないなら、きっとそれだっていい。その間、彼女が俺しか考えられなくなるように堕ちてくれれば、それでいいのだ。囁かれると、彼女は必ず震える。そうしたまま体を触られると、ずっと小刻みに震えている。俺の音 が、全身で響いているかのごとく。ずっとそうしていてもいいと一瞬思ったが、やはり唐突に体を放す。一瞬だけ、彼女が名残惜しそうな表情をした。
    「ふあ」
    上の服に手をかける。ブラは丸見えだが、未だにきちんと脱げていなかった。これはこれでそそるものがあるが。
    「見せて」
    少し焦るような手つきで、脱がせようと試みる。毎度のことだが、緊張からなのだろうか。無意識レベルの裸体への欲求が、焦燥を生み出している気もする。そこまでしているつもりはなかったのだが、彼女に「ちょっとがっつきすぎじゃない?」と窘められたことがある。いや、おっぱいに関しては俺は強い嗜好はない。巨乳派だとか貧乳派だとか、そこまで語れる程ではないと思っている。しかし、外した瞬間に弾む この視覚的な柔らかさには、毎度くらっとくるものがある。男としての理性を直接やられている気がする。でも、彼女のでないと、こうはならない。
    「……ここ」
    先端を突く。彼女が肩を強張らせた。巨乳はあまり敏感ではないと聞いたこともあるが、彼女はそうでもない。
    「こんなに、硬くしてるよ?」
    一度だけそうした後、じっくりと凝視してやる。女性の肌は、汗ばんでいなくともどこかみずみずしい。白く曲線を描く肌で、唯一そこだけが赤く、濃縮したように腫れ上がっている。ちらと視線だけ彼女の顔に向ける。彼女は先ほどよりも頬を赤くしていた。多少は恥ずかしいのだろうか。触るそぶりを見せ、つう、と腹だけを下になぞる。
    「んん、ぅ……」
    少しだけ声を漏らす彼女。切ないの かな?
    「はぅっ!」
    そのまま脚を開かせようとふとももに手をかけると、それだけで彼女は隠しもせず声をあげた。相変わらず弱い。でも、ここを虐めるのも後で。
    「ぁ……るーく……」
    そうしたまま動かなくなった俺を、彼女は弱々しく読んだ。相変わらず俺はその様子を視線だけで観察する。俺のしていることを理解すると、更に顔を赤くし、目をしばたたかす。
    「や……そんなに、ぎょーし……っ」
    「なに? これもだめなの?」
    「あうぅ……」
    「……どうしてだめなのか、言ってあげようか?」
    視線を戻す。いやいやをしたのかもしれない。体をよじるように彼女のふとももが動いた。
    「おまんこ、俺が見るだけで、とろとろに溶けてるもんね……?」
    とたん、羞恥が最高潮に達した 彼女が、手を使おうとした。それを掴み、更に視姦を試みる。入口のひだは今にも中を見せそうなほど開き切り、その上に光る宝石は、破裂しそうなほどに膨れ、その存在を主張している。細く脆そうな少ない恥毛は全て粘液に濡れ、ぴくりとも揺れない。ここまで溢れさせても、彼女はなかなか自分から求めなかったり、今日のようにだめといったりする。彼女は俺に、何を求めているのだろう?
    「……蒼、俺……」
    掴んだ手をそのまま前に移動させていた。俺のそれは空気に晒されたままだった。
    「……ぁ」
    感嘆を漏らしたのは彼女だった。彼女のしなやかな手が先端に触れると、やわらかそうなそこも、物欲しげにひくひくと疼くのが見えた。俺のが欲しいからだと言ってほしい。限界に近い妄想を する。欲しい。欲しくて、たまらない。
    「あおい、……っぁ、すきだよ……」
    情けなく声を漏らし、蒼の手に擦らせていた。触られてもいないはずの彼女のぁ、ぁ、という声も、頭の奥で響いている気がした。視線の先にはやはり彼女の愛らしいおまんこ。一撃を与えられ俺が硬くなるたびに、そこは蜜を溢れさせる。どうしてそんなにやわらかそうなんだ。埋もれてみたい。彼女に堕ちてしまいたい。彼女の腹に、その先っちょを埋めてみる。穴なんて、本当は必要ないのかもしれない。
    「あっあ……ぁ……っ!」
    そこにはもう地を這う獣の声しか響いていない。


    一度死んだはずの彼の子種がまた白く生まれ変わる頃には、あたしももうたまらなくなっていた。
    「るーく……、あつい、よ…… 」
    腹から伝い、新たに与えられた粘液と粘液が擦れ合って、あつすぎる。がまんが、ほぐれていくくらいに。こんなのを中で熱くされたら、どうにもこうにも壊れてしまうという、錯覚。彼の息も、荒かった。よかったの、だろうか。精液の残ったかれのそれを見るだけで、あたしの膣はきゅぅっと締まった。
    「……えっち、だね」
    伝う白濁をなぞるように、指で撫でられる。それは、クリトリスの真上で止まる。どうしようもなく、あたしは震える。
    「でも、蒼。だめって、いったし…?」
    ……それは、彼なりの仕返しのつもりなのだろうか。だとしたら、効きすぎだ。逆手に、取られすぎた。
    「まだ、足りないよ……蒼……」
    まだ硬いままのそれは、乳に押し付けられた。
    「あ、ふぅっ……」
    暴 力的なほど大きく腫れ上がるそれを仕方なく挟み込むと、熱さが螺旋を生んだ。もうどこにも逃がせないのだ。どこにも、逃げられない。
    「あ、ひゃあっ…!?」
    彼は、普段では絶対に出さない高さの声をあげる。きっと、柔らかさに蕩けている。でも、やわらかいものが硬いものに擦られる感覚の方がよっぽど鋭敏なのだ。あたしは腰を振ってしまう。このまま達してしまいそうなほど、膣は収縮を繰り返す。谷間に向けて浅く突くような彼の腰の動きに、たまらずあたしは尻を突き出す。もうわかってしまう。震え具合だけで、彼がどれだけ限界近いかなんてわかってしまうくらい、幾度も体を重ねてきた。何度も、何度も。その度に、彼の甘い声が脳の奥を揺らす度に、あたしはきっとどこかで、一番最初の彼を思い出す。恋も女もキスもえっちも、何も知らなかった純粋な彼を。明らかにあたしの中をかき回す時と同じ腰の動きに、あたしの切なさも限界になる。今すぐぶちこんで弾けさせてほしくなる。
    けれどその反面、妄想だけで満足されることへの悲しさを、少しだけ混ぜてみたくなる。
    かわいい声を聴くことと引き換えに彼を導くのは、あたしだ。だって、彼はまだあたしを求めてくれるのだから。
    「ッ、これ、でも……っ?」
    間にしっかりと入れ込んで、締め付けてしまうほど強く挟み込む。こうして彼の体温とひとつになって、何も感じないふりをする。それでも暴れようとする彼の先を走る欲望を、そっと舌で掬う。ふあっ、と歓声をあげた隙に、仕上げてしまおうと試みる。焦燥があたしの熱だけ更に上昇させて、噛み合わなくなりそうになる。
    「ほ、ら……ッ!」
    しごきあげて、唾液で濡らして、何もかもぐちゃぐちゃになるように埋もれさせていく。自分の胸が形を変える度、乳首を擦り付ける度、はげしくなるたびに積もり上がる焦燥は、ひとつ、またひとつと、波紋を作る切望になる。水音が欲しくなる。彼の視線があたしを捉えているのかどうか、おぼつかなくなる。彼がビクンッ、とひとつ大きく跳ねて、限界を主張して。

    ひとつだけ、空に漂う星に、何かを願えるなら。

    「あお、いもッ……っ!!」
    「ッ!? ぁッ――、」
    ルークが、あたしの太ももを、掴んで。
    あたしの胸の中をまっしろに、そめあげる。
    それだけで、本当は、本当は、充分なのに。
    寂しくなる度に淋しさばかりでお腹を満たすあたしは、救いようがないのかもしれない。


    途端に彼女はぱたんと、その場に腰を下ろした。

    彼女のことだからまた急に具合でも悪くなったのかと、靄のかかったままの頭で危惧したが、今にもふやけそうな瞳で脚を開き、指など入れなくてもほぐれきっていそうなそこを躊躇いもなく見せつけてくる姿に、俺はまたしも思考が途切れていくのを感じた。
    「ぁ……ルー、ク………るー…く……?」
    ……その時初めて、彼女が仔犬のようだと感じた。
    濡れきって縮こまって震えるその瞳は、おそらく何かに怯えていて。でもその割には昔の陰った面影はなく、これ以上ないほどの光を携えながら何かをまっすぐ見つめていて。
    きっと彼女は気まぐれだと簡単に片付けられる存在ではないのだと、直感的に悟る。発情した猫のように体を擦り付けてくる時でさえ、常に何事かを敏感に感じ取って、どこかで勝手に傷を負っているのかもしれない、と。
    でもその彼女がおそらく今は俺だけを、すがるように見つめている。

    仕返しなんて、どこにでもある建前で。

    「ぃ、よ……も、いい…よぉ……っ?」
    それは、泣いているように見えた。ひくつくそこでさえも、床まで溜まった水溜まりは、涎というより涙のように、綺麗で。
    そんなに泣くくらいなら、俺に全て預けてほしい。
    力を抜いて、膝を折るように、
    ――屈伏するかの、ように。


    「ッ……、あァあッ!?」
    彼は飛び付いてきた。
    無邪気に、なにも知らないかのような的確さで、腫れすぎて痛いくらい欲しかったそこを、宥めるようになめ回す。あたしの指とは全然違うその舌づかいはびちゃびちゃとひたすら下品な音を立ててあたしの全てを奪い、熱と興奮だけを残すために跳ね回る。こわくて、はずかしくて、軸がぶれてしまいそうなくらい揺さぶられて、それを全て声にかえて、あたしは悦ぶ。なんて淫らなうただ。更に快感を得るためだけにあたしは水音を立てて、でもそれを赦してくれる彼に全て吸いとられそうで、腰をあげる。
    「あ、はァアアッ……!!」
    もはやノイズも星も散らない。彼の温度は柔らかくて、やわらかくて、あたしも彼も関係なくもはやひとつに溶けてしまいそうなのに、それが体ごと飛んでしまいそうなくらい酷い衝撃で。飛ばされないようにしがみついても、回る螺旋は気持ちいい、きもちいいという単語だけでまっしろになっていくほど加速して。ぬるぬると、ぬるぬると。そろそろこんなにきもちよいと一気にさめてしまいそうなのに、ルークは一旦放して舌をとがらせる。
    「ん、はッ……! おい、しッ……!」
    だめ、だよルーク、そん、なに。
    確かにいいって言ったけど、熱で膨れ上がったそれに、とがった氷みたいに、そんな、だってそんなの、
    「んはアァァァンンンッッ――……!!?」
    しめつける、しめつける。
    どこにもいってほしく、なくなっちゃうじゃん。

    めざめ、たいよ。

    「はァッ……はッ……、は……」
    あ、やっと。
    蒼のえっちな声がきけた、なんて。
    彼は上気した頬で少年のように笑う。
    だめだよそんなの。ずるいよ。
    だってそんなのきっと、いくらでも甘えていいルークでしかないんだもん。

    さぁ、またいつもの二人でいようか。
    再会したあとみたいに仲直りしたあとみたいに、えっちしよう。
    ふたりでいっしょに、きもちよくなろう。

    「やッ、ぱり……、だめ」

    え?
    「あ、ッ!?」
    急に俺の股間を彼女はまさぐりはじめる。自分でも情けないほどそれは腫れ上がっていた。…何がって気づかないのが情けない。さっき、その…彼女にあれだけシてもらったというのに。
    「…その…、あたしだけ気持ちよくなるのも……だめ」
    今更のように彼女は恥ずかしそうに俯いて、言葉を紡ぐ。こういうところが可愛いと思う俺は、世に言う彼女バカの類に入るのだろうか。
    「――だから、」
    そう言って、彼女は俺に跨がる。俺に尻を見せつけるように。大事なことでもないのにもう一度言ってしまう。……え?、と。
    しかし、本人にその気がなくても明らかに誘っているその体勢に、俺は無意識でも見入ってしまう。程よく張って形のいい尻は、こうして目前で見ると少し大きめに見える。そんなところまでもやわらかそうなそれをもしそのまま目の前で振られたりでもしたら。
    「ぁ……もっと、おっき、く……?」
    「ッッ!」
    尻は更に高くあげられ、彼女の汗で湿った手が俺の最も情けない部分を掴む。正直まだまだ足りない。軽く握られるだけで痛いくらいで、先は彼女の中ばかりを思い出して熱を空回りさせる。薄く涙の膜に邪魔された視界を無理矢理開いて、彼女の上げられた尻を追う。…どうして気づかなかったのだろう。上に向けなくとも無理のないまっすぐな視線の先には、呼吸するが如く絶え間なく収縮を繰り返す、彼女の入り口があった。吐き出されるのは顔全体にこぼれかかるような甘酸っぱい芳香と、どろりと小さな光を湛えて溢れ落ちる、糸を引くいくつもの、いくつもの愛蜜。プツン、と何かが切れる音がした。
    「ぇ、ルークっ、ふ、ぐッ…!?」
    ……しばらくして、ぴちゃぴちゃともちゅぽちゅぽとも、いや、どっちも。無数の音を立てて周りにまでむわっと広がっていく淡く粘ついた熱で、俺のそれは彼女の口内に突っ込まれて動かされていることに気づく。
    「ふ、んっ……ちゅぱッ…んン……ッ」
    ざらざらとした引っ掛かりがあまり感じられない彼女の舌はとても滑らかで、本当に溶かしていくように俺の肌と擦れあって、その動きは読めないどころか今どう動いているかもわからなくなるほどで。なのにしばらくして俺は、無意識にその動きに合わせて上下に振る自分の腰と、抑えているとはいえだらしなく高い自身の声を耳にする。指先のさらさらとした毛の感触も。気づけば右手が彼女の後頭部を捕まえていた。そこまで見てようやく気づく。…多分ぶちこんだの、俺だ。限界まで大きくなっているだろうそれを無理矢理頬張らせて固定して舐めさせる、奉仕させる。それはもしかしたらする側にとってはものすごく苦しい状況かもしれないとも思うのに、そんな一握りの理性は掴んだ砂のように、さらさらと流れてしまう。彼女の舌が、ぬるりと舐めとっていく。
    「んッくっ…ぅぅ……!?」
    更にねじ込む。熱を逃がさないように。常に濡れてどろどろの感触のそこに、もし彼女の涙も混じっていたらと思うと、あれ、そっか。この生暖かい感触、口の中だっけ。おまんこじゃないのか。さっき限界に張りつめて飛び出した欲望は、恐らく最後に見たものの中に勝手にぶちこんでいた。頭の中でだけ。実際、未だに見れば目の前にある彼女のおまんこは相変わらず乾くことを知らず、常に脈打っている。こんなに、泣いているのに。くらくらしてくる。
    かするくらいの距離に鼻を近づける。腰に手を添える。ぴくんと跳ねた。
    「はっ……はっ……」
    更に息を荒げて、匂いを嗅ぐ。ばかになっていそうな鼻にもつんと、果汁のように少しきつく、酸っぱい匂いが届く。ああ、さっきより濃い。吐き出す息がきっと届いているのだろう。瞼をしばたたかせるようにそこは一瞬ひくひくっと激しく動き、腰が浮いて震える。堪えるように目をきつく瞑る彼女の表情が目に浮かぶ。多分、充分に彼女を虐めることはできている。楽しい。
    「はぅんッ…」
    つうっ、と入り口のひだを舌でなぞる。ひだだけ、だ。だらしなく開ききったそれは最早幾重もの翼のようで、少し触れただけでひくり、ひくりと羽ばたく。彼女は天使だからな。
    「ッ……ッ」
    しかしやっぱり、我慢できなくなったのは俺の方だった。もっともっとと口でねだる前に顔全体でねぶるようにそこに擦り付ける。
    「ンぅぅッ、ぅ!?」
    願った通り、彼女は腰ごと高い位置にまで浮く。その声に合わせるようにむわっと襲ってくる、彼女の、オンナの臭い。
    「ァ……ッ、くぅ!?」
    …違うな。彼女は彼女だ。彼女の匂い。彼女の汗の臭いの混じったその甘くいやらしい芳香に、また俺は声をあげてしまう。俺は彼女の匂いしか知らないし、他の人だったら、こんな…脳髄を掻き回されるような興奮なんか、味わえない。むしろ俺がヘヴンしそうだった。飛んでほしいのは、彼女なのに。
    「ぁッ、んぅぅ……ッンアぅッ…ンむ、ふッ」
    白い脚が悶え、踏ん張り、くねり、もがく。想像しなくとも目の前にある事実で、我に返ったら全て飛んでしまいそうな連想は演奏に変わり、咽び泣くような水音が耳の奥に入って、その度に揺れる愛液がぴちゅ、ぱちゅ、と飛沫を上げ、彼女の喘ぎで全てが終わる。可愛い。いやらしい。なんでそんなに啼いてくれるんだ、蒼、ッ…
    「ぁおいッ、でる、ア――ッ!!」

    ――ッ……
    相変わらずびゅるびゅると音を出す勢いで、ルークの溜まった欲望があたしに吐き出される。
    全て吸い付いて飲み込んだつもりでも、いつも顔の淵に残る粘液と、喉の奥の残り香を、彼は自覚しているのだろうか。見ているのだろうか。だとすれば、穴があったら入りたいという言葉もなんだか少し、わかる気がする。あたしは女だから、穴を持っている側、なんだけれど。
    ぴく、ぴく、としながらも、放心したような震えを見せる彼のそれを、放す最後にもう一度大きく舐める。滲む視界の端に捉えたその色は、透明だった。まだ我慢して、いるのかな。綺麗で、ごつごつと歪な表面がよく見える。しょっぱい。あぁ、獣の味だ。彼が男だと認識すると、今は本能であたしも震えてしまう。
    でもそれだけじゃ、やっぱりいやなの。
    「ぁ……ぁっ……」
    小さく声を漏らすその息は、荒い。その表情を確かめようと震える膝をつき、振り返る。
    「るーく、……あの……ね……?」
    声が少し、震える。
    「あたしの、ここが…ほしい…?」
    振り返ったまま、そこを目前に突き出す。だらしなく肉のはみ出た、汚い、そこを。
    「……っあたしのナカ……どれくらい、思い出してくれた……?」

    ……ぼーっとした頭で考える。
    どれくらいなんて、そんなの……そんなの、どれくらいでもだ……
    忘れているようなときにだって、寂しいように、思い出すのは……

    「あぁっ…」
    つ、と指先でぬめりをなぞられる感覚。一瞬の感覚が残留して、おかしくなる。この感覚が、せつなくて、すき。
    もう解放してあげよう、と思うくらいには。
    しっかりと体ごと彼の方を向き、膝立ちのまま、今できる精一杯の力を込める二本の指を、そこに当てる。

    にちゅ、と鈍い音を立てて蒼が濃い桃色のナカの肉を、見せる。

    「ほ、ら……っ……、ちょくせつ、おしえて……?」

    羞恥の声。
    潤んだ瞳。濡れた唇。
    湿った声。…甘く透き通った、声。
    心なしか、髪にしっとりと雫がぶら下がっているような。
    彼女の全身が濡れているように、見えた。
    …我慢なんて言葉はもうなかったけれど、途切れる理性の狭間に、ひとつだけでも、伝えたくて。

    これだけ、脳を揺さぶるように、誘ったら。
    きっとすぐさまぶち込まれると覚悟していたのに。
    ルークは直前に、小さなキスをする。
    きれいだよ、って声が、透き通って、響いたまま――、

    「っあアアアアアアアッ――!!?」
    突き破られる。捻じ曲げられるような感覚と、中で繋がる。
    あたしの薄い壁をいとも容易く壊す、凶暴なそれ。
    あたしだってもちろん、これが嫌いなわけない。
    すき。汚いくらい。醜いくらい。
    えっちで、どろどろで、きもちいいのが、好き。
    でも、でも、こわい。
    だって、これはイケナイことだから。
    何がなんてわからないけど、これだけきもちいいと、おかしくなるの。
    「蒼ッ、あおい……っ!!」
    ぱちゅ、ぱちゅ、ばぢゅ、ばぢゅ、とすぐにテンポをあげていく音の奔流。
    あたしがいつも彼の動きを読めているわけない。今だってほら、もうわからない。それがこわい。
    ごめんなさい、と口に出してしまいそうなほど頭の中で廻る。
    それはルークでも変わらないの。かわらないの。ごめんね。ごめんなさい。
    「ぁ、すき、す……きぃッ……ッ……ア……!!」
    なのに、彼には言葉があるの。
    彼の一突きには意味があるみたいに、
    どこかで必ず声をかけてくれるの。
    叫ぶように、高い声に混じって、咆哮みたいに、それはもはや、夢見るようなロマンティックなんて、どこにもないのに、
    それはあたしを呼び覚ます。呼び覚まして、はじけて、とろけて、わからなくなる。やっぱりこわい。
    こわいのに、でも、いやじゃないの。
    すきっていうのは、やっぱりちょっとこわいけれど。
    「やぁ、アアッ、そこッ、ッ、アァアっ!?」
    そんなに音がするほど激しく動きながら、直に、ピンポイントに、乳首を抓り上げる。
    「だめッ、らめっぇぇぇ!!?」
    そうしながら腰の動きを変える。無意識なんだろうけれど、それで一番きもちいいところが、擦れてしまう。きもちいいを感じるためだけの、オンナの器官。びりびりする。逆に力が入りすぎて、首が曲がりそう。脳髄がはみ出そう。
    「あおい、こ、え、もっとぉ……ッ!!」
    それを耳にして、はっとする。声を抑えようともしなかった自分が、いたこと。
    あたしの声で、仰け反るほどびくびくする彼がいること。
    はずかしい。こんなにも、はずかしいのに。
    あたしまで更に口を開ける。粘ついた口内から、生臭くも微かに彼の臭いを感じる。くらくら、する。
    刺激が少し薄くなった気がして、薄目を開けて彼を見る。同じく目を瞑った彼は、翻弄されるように薄く口を開けている。
    それだけで本能に任せて、あたしの腰も勝手に動く。
    わかってる。結局本当に欲しいのは、あたしの方なの。
    ぬめりすぎて、感覚が無い。頬張りすぎた感覚と別のやさしさがほしくて、彼の頭を抱き寄せる。
    「アッ、あっ、く、ァアッ……ッ」
    すきなの。動いてくれないと、不安になるの。ひとつにならないと、潰れてしまいそうなの。
    だから、たまには。
    「あ、アっ、る、く、すき、アァァァアッ……!!」
    「く、ふアァァアッ――――!!?」
    叫んで気が晴れればいいのになんて、まっしろな、頭で。


    …そのあと以下ループって言いたいくらいには、しました。いや俺ルークだけど、シャレとかじゃないからな?
    結局そのあとは意識が落ちて、気づいたら朝方。しかし朝方にはきっちり目が覚める。…流石にこんな時は、少しだけ朝日が恨めしくなったりもするが。
    隣に微妙に服を羽織ったまま寝ている蒼を軽く揺する。起きる気配は全くない。彼女は寝起きが非常に弱い。なのに時々……、いや、なんでもない。これ以上は期待しない。無理されるのは嫌だしな。
    改めて、安らかと表現して意義はなさそうな、その寝顔を見る。…改めて思った。期待ってなんだよ。そんなんじゃ、結局俺の目的が果たせたのか、わからずじまいじゃないか。
    「むにゃぁ……」
    その小さな口から、声が漏れた。少しもぞもぞと動いたが、やはり起きる気配はなかった。無防備だ。無防備で、非常にかわいい。悔しいくらいかわいい。
    そんな蒼を見ていると、結局最後には思ってしまう。
    「まぁ、いっか…」
    軽く頭を撫でてみる。……寝ているはずなのに、何故かほんの少しだけ、笑う蒼。
    こうしていると、わかることがある。
    従順になってくれなんて、毛ほどにも思っていない。思えない。
    ただ、この笑顔だけは守りたいと、純粋に思える。なんていうか…蒼には幸せでいてほしいのだ。
    それまでに、どれだけ地を這いずり回ることになるかはわからない。
    だがその笑顔を、遠い星空からでもいい。見守っていたいと、ささやかに思うだけ。
    できればこんなふうに、晴れた夜空から。

    窓から光が差し込んでくる。
    あ、そういえば。愛架帰ってこなかったな。

    【※R-18注意※】夜に地を這う星の話。

    • 2012.06.18 Monday
    • 21:50
     

    あおいさんただいまの挨拶もそこそこにエロ小説あげちゃう。あおいさんだから。

    あーわかる人にはわかりますが誰かさんのキャラばしばし出てます。むしろ冒頭から誰かさんです。リクだったんだから仕方ないじゃない、変態だね! わぁい!




    ……つーわけでいきなり一人称で汚してごめんなさいるーくさん←

    打つの遅い書くの遅いなので随時更新していきまする。このぺーじに直接だと思われまする。てすと前までに終わらせられれば嬉しいな(




    1LDKアパート。
    白というよりは、薄汚れた灰色。
    現代では広く一般的に知られる類のこの物件に神が住んでいるなどと、誰が思うだろう。
    ……また、割とぼろいし。
    住居くらいもっとちゃんとしたものを構えればいいのに、と思う。しょっちゅう転居している彼女。……大半が家賃滞納で追い出されているらしいが。
    彼女の置かれている状況など知り過ぎているほどだ。実際は理由までも。本当なら今すぐにでも俺の部屋に連れ込んで同居したいところだが、それじゃ愛架が、なぁ。
    と、軽く現実逃避に思考をずらしてみても、最終的には彼女のことに辿り着いてしまう。どうも、俺、ヘタレのルークです。
    ……まぁでも、ここまで来て踵を返そうというほど根性なしなわけでもない、はず。うん、大丈夫だ。ちゃんと俺の足はある。止まったままだ。……だめじゃん。
    仕方ない、もう、せめて愛架がいないことを祈るしかない。カミサマタスケテ。ハハ。

    また覚悟を決めて、ひとつ。

    俺は一歩踏み出す。




    夜に地を這う星の話。



    ドアはもう目の前だった。今日の夜空を見上げる間もなく、足が勝手に階段を登っていた。合鍵、どこだっけ。
    開いた先にいる者が神であろうと人間であろうと、今はそんなことは関係ないのだ。何であろうとそれは彼女なのだから。愛架が出てきたら即刻逃げ帰りそうだけど。
    「蒼、いるかー? ……あ、おじゃまします」
    とってつけたような挨拶。日によっては彼女から「い、いきなり押しかけて来ないでよ!」と顔を真っ赤にしながら抗議されるものだが、それでもお互い気兼ねは要らない訪問回数になっているから、自然と、なのかもしれない。長い、長すぎる、付き合いだし。実際彼女のほうだって帰宅するとたまに勝手に俺の自室に転がり込んで寝ている。あれは心臓に悪い。
    しかし前述の通り決して広くない部屋(ついでに詳しく言うと後が恐いけど、女性二人の同棲部屋の散らかり方は、男性も侮れない)に現在似つかわしい効果音は、
    「しーん……」
    ……あれ、まさかもう寝てる? 何それ恐い。いやだって俺が今日ここに来た目的を考えると、これだと文字通り……ね、寝込みを……うわ、そそる……いや待て落ち着け俺紳士になれ。タイムマシンを探すより何よりまず、深呼吸だ。
    すー、はー。若干大げさすぎる挙動で。大事な時は大体お眠りになっている彼女だからな。かと思えば俺の恥ずかしい告白はなぜか大体聴かれているのだが。……ふぅ。
    「っと、入る、ぞ……」
    女性物の並んだ靴の横に揃えるのも忘れて靴を脱ぎ捨て、暗闇に侵入する。早速精神統一した矢先に床に広がる女性物の、えーと、上の下着は本当にやめて欲しいのだが、いつものことだ、仕方がない。拾ってサイズ確認するまでもなく、こういうずぼらさは片方しかありえない。掃除が行き届いてないぞ、愛架。さてはお前もデートだな。
    ……ふと自身の衣擦れすら止まった静寂に、微細ながらも音を感じる。
    じっと聴覚に神経を集中させても、暗闇に慣れた目は勝手に室内の様子を映し出す。視界の右側にポッキーの空き箱、続いてコンソメパンチの袋、ミルキーの……あ、落雁、買ってくるの忘れた。畜生。使い回しの『AOI』と書かれたプレートのかかった既に目の前のドア。しばらくそうしていると、やがてその音の正体も見えてくる。悪かったな、ちょっと歌が歌えるだけで彼女ほど耳はよくないんだよ。
    「――……、はぁ……はぁ……」
    息、遣い? ドアの前に脱ぎ散らかされたような衣服やドアの下に挟まる何かも今は気にならない。気にしても仕方がない。やはり、蒼、なのだろうか。空き巣っぽくて何か格好つかないが、流石に女性の部屋にノックもなしに入るわけにはいかず、ドアに耳だけ押しつけて、立ち尽くす。い、いくらよ、夜這いといえど礼儀というものが。……やばい、俺、かっこ悪い。
    「……――――るー…………く………………――」
    っ!?
    俺!?
    まさか、本当に侵入者でも……
    そんなものは入ってくる前に察知してしまう彼女の能力のことなど頭から消え去り、
    「蒼っ!? 大丈夫か!?」
    ついに俺はパンドラの箱よろしく大きく部屋のドアを開け放ってしまうのだった。箱の色? 蒼だろ。

    「……え……」
    そんな俺の頭は文字通り真っ白になった。
    狭く、薄暗い部屋。相応に散らかってはいるものの、目立った家具はベッドしかないような。その端にたった今起き上がったような体勢で確かに彼女は座っていた。一番奥の閉められた白いカーテンがそよそよとはためき、月明かりが射し込む中に彼女の蒼髪が煌めいて、一種幻想的にさえみえる。……その状況に目を瞑れば。
    「は、ぅ……っ……ん……」
    俯いたまま、左腕をだらんと垂れ下げ、確かに彼女は、あ、喘いでいた。薄水色のパジャマのズボンが半ば下ろされ、やけに艶のある声を漏らしながら、普段より荒っぽく息を吐く彼女。その内側に右腕が入り込んでいるように見え、ということは、その中を、右手が、何かを探るように、えちょっと待ってタンマ。やめてよよく見たら上の方も前開いてるよ! それはちらりを超えてるよ! おっpくぁwせdrftgyふじこlp
    「し、し、失礼しまし……っ」
    後退りしながら後ろ手にドアノブを握る俺。何かを踏んだ気がしてちらと下に目をやると珍しく純情キラリの白く光るパンティーじゃありませんか。これさっき確認しなかったドアに挟まってた物体じゃないかっ? 何の伏線!? 待ってよ落ち着いてよ! 主に調子乗りかけてる俺の下半身!
    「あ、……るー、く……るーく……?」
    ……声で流石に気づいたのだろう。めっちゃこっち見てる彼女。めっちゃ視線が蕩けてる。このヤク中、とすっとぼけたい。無理だった。
    「え、な」
    しかも寄ってくる。嬉しいけど無言は恐い。何、なにをする気、
    「んむっ……!?」
    唇が、重なった。
    「ん……っ……ぅぅ……」
    ……思えば毎回、こんな展開になっていた気がする。なぜ仮にも男である俺が半ば勇んでこの部屋にやって来るか。大体最初に主導権を握られてしまうのだ。寝惚けやすい彼女に。酔いやすい彼女に。はたまた、今日みたいな……あ、だめだ、蒼の舌柔らかい……気持ちい……
    「んっ、く……」
    どちらともなくたまに漏れ出る甘い声。今日も今日とて彼女の舌ばかりが暴れっぱなしで、中からか外からかもわからない卑猥な水音を立てる。俺の頭の中の妄想で終わってないことだけ祈りたい。終わらない彼女の貪りに、力すら入らない。
    「んッ、……はは、るーくだ……ちから、ぬけてる……」

    放されては、また飛びかかるように続行される深いキス。いや、それは蒼が悪い。そうだ、蒼が悪いんだ。君が毎回毎回無邪気なのが悪いんだ。無邪気なのに、淫乱。なんて狡猾なんだこの娘。けしからん。だから俺ばっかり組伏せられる筋合いはない。そんな子にはお仕置きだ、とあげた右腕は意志に反してその柔らかい髪を撫でていた。溶けるような柔い快感の中、指先がするするとした心地よさで満たされる。ピク、と動いたのは彼女だった。そのままくしゃくしゃとかき混ぜてやれば、効果はある。舌の動きが少しずつ、緩慢になっていく。彼女が少しずつ、落ち着いていく。
    「はッ……あ、…あたし……」
    「……うん」
    若干息を乱しながらうわごとのように呟く彼女。俺はもう片腕でその体を抱き締めながら撫で続ける。
    「……えへへ……ルークだ……」
    顔は見えないけれど、ふわっと表情を崩したような彼女の声。ああ、蒼だ。
    「あの、ね……なんだか寂しくなって、ルークのこと、呼んでたの……」
    ふわふわと。……え?
    「え、はっ……?」
    寂しくなって? 呼んでた? 俺を?
    一気に力を吸いとられたように指先が痺れていく。擦れる髪の一本一本に敏感になってしまいそうだった。やってくれる、彼女の口からそんな言葉が出るとは思わなかった。何だかんだで普段は気丈な彼女だから。君はエロいことしてれば俺が誘われて来るとでも思っているのか。全くその通りだった。何も言えなかった。むしろ誘われる前に襲いに来てた。ていうか寂しくなるといつもこんなことしてるのか。あり得る。彼女なら充分あり得た。やめてくれ。当然のように俺の方は全く落ち着かなかった。もう、下、当たってるんじゃないか……?
    「……ちょ」
    彼女の顔を覗き込もうと少し力をゆるめると、全力で体重を預けられた。すぅ、すぅ、と安定した呼吸音。……なんなのこの子。あんだけ興奮してたのになんでもう寝てんの。俺、布団と勘違いされてない? 何度繰り返してもわからない彼女の堕ちるタイミングに、やっぱり疲れてんじゃん、と気にかけながらも腑に落ちなかった。
    ヘタレといえど、俺だって一応男だぞ。
    「……むぅ」
    視線を下げると、白く光る彼女の脚が見える。ここに来る途中脱ぎ捨てられたのか、既にズボンもなかった。内股の辺り、微かに一筋の雫が流れ落ちきっていないのが目に留まる。勝手に手が伸びていた。あんなことしてれば、なぁ。
    「ッ、んん……」
    少し触れただけなのに、ビクビクッと彼女の体が跳ねる。やはり敏感にはなっているのだろうか。でも、舐めるにはまだ足りないんだ。二つ、三つ、と指を増やしていく。弄ぶように内股をなぞるだけだが。
    「ぁ、うらめぇ……ふ……っ」
    彼女は身を捩るようにするが、時折その身体は大きく跳ねる。これだけで、感じてくれてる。その嬉しさに胸の高鳴りは増し、その鼓動はダイレクトに俺の下もビクビクと痙攣させているのがわかる。もうどれくらいぐちゃぐちゃになっているのだろう。さっきは寸止めだったのだろうか。何回達したのだろうか。何回、俺の名前を呼んだのだろう。早く確かめたいと思う反面、触れてしまってこの興奮が収まってしまうのも惜しい気がして。一旦手を離すと彼女は息を荒っぽくさせながら一層ぐったりと体重を預けて来た。……まさか、まだ寝てたり?
    「……ん」
    彼女を支えながら半ば抱き抱えるような形にして彼女の顔を確認しようと試みる。目は閉じられている。無意識に堕ちているような自然な表情はいつも通り、だが。軽く頬を撫でると、少しだけ瞼が反応する。こんなことは心の中でしか言えないが、片腕で支えるには仮にも一人の人間の重さだ。決して軽くはない。しかしこの胸の大きさとかから考えて、決して重くもない。目の前のおっぱいに対する欲望に素直に従い、俺は悪戯を続行することにした。
    「っっん……」
    なぜか上は完全に脱いでいなかった。後々ということで脱がさず下から手を入れる。もみもみ。相変わらずピクリピクリと彼女は反応する。先っちょを掠るとその肩は一層こわばり、やはり微かに捩る。手のひらでやわやわと転がす。当然ここも、硬くなっている。ここだけじゃない。肩だけでもない。もう片腕から伝わる彼女の体の感触は、先ほどより明らかに硬くなり、緊張を増している。寝ている割には力が入っている。ほら。元から自分が受けに回ると恥ずかしがって自分を抑えるる彼女だが。
    「ほんとに、寝てるの……?」
    再度ゆっくりと揉みながら、耳元で囁いてやる。更に近づいた彼女の顔。その目元に涙が滲んでいるのは本当に俺の気のせいなのだろうか。
    「んッ、んッ……」
    指先で先を転がす。甘い声を漏らし始める彼女だが、決して目は開けない。その頬は紅潮している。髪と同じ深い色の睫毛が影を落とし、ゆらゆらと揺れる。目を瞑っているとそれはそれでその手の人形のように綺麗で、困る。どきどきする。
    「ねばるね……?」
    下腹部に指を走らせる。脚がだらしなく開いている。誘っていると判断することにしよう、うん。更に指を下へと動かすと、僅かな震えともとれる断続的な痙攣が俺の指を楽しませる。優しくしすぎても、いつ理性が完全に事切れて全て水の泡となってしまうかわからない。たまには無意識に行動を委ねてみる。このまま指を進めていくなら、辿り着くのは女の子の一番弱いといわれている部分だった。女の子なら誰でも持つ宝石とやらはこれのことではなかろうか。磨けば輝くしなぁ。うへへへ。記憶の中からぷっくりとしたそれを喚起しながら、狙いを定めてきゅ、と擦る。
    「ッ――――ぁ…………!?」
    反応は大きかった。押し殺した声を発す口が見えなくなるほど背けて大きくのけ反り、羽ばたかせるように脚をかくかくと揺らす。既にヘヴン状態ですか天使さん。熱が上っておぼつかない俺の視線は再度、最初よりも大きく開かれこちらに向けられた彼女の内股を捉えることになった。湧き出ていた。先ほどの雫と思われるものは太股半ばまで垂れ下がり、更につう、つうと幾つかのしたたりが、清廉に見える彼女の白肌をこの上なくいやらしく飾っている。我慢の、限界だった。
    「っ……」
    片手でズボンを下ろし、情けなく腫れあがった自身を曝け出す。俺に触れられただけで、こんなにして。いや、本当はどんなだろうか。目よりも、指よりも、舌よりも、ここで。直に彼女の昂ぶりを確かめたい。少し彼女を持ち上げる。三秒のカウントダウンも待てなかった。息は止めるから、君の中へダイブさせてください。

    「ッ…………、だ、め……」

    寸でで彼の昂ぶりの先を捉える。必死に声を抑えているのだろう。ほとんど音は立てずに、しかし代わりにびくっびくっと体を揺らし、耐えている。あたしのことも、落としたりしない。ちゃんとあたしが寝ていると思い込んでいる。でも。
    「だめ、全然……だめ」
    手はそのままに、彼の唇を軽く奪う。軽くそれを舐めとって、放す。
    「失格……いくらルークでも、いきなりなんて、だめ」
    あたしが想像したあなたよりも。あたしが欲しくて堪らなくなったあなたよりも。
    「もっと、もっと、あたしで心を満たして……あたしを感じて、あたしを知って、全身で確かめて……あなたの想像以上のあたしに、して」
    そうして、はじめて。
    あたしのナカ、教えてあげるから。
    もう一度、深く、深く、唇を重ねる。

    俺的

    • 2012.03.08 Thursday
    • 12:02
     懐メロを漁って掘り出してみた。Itunesから消えてたのにこれまたあるんだよね←

    最近たまにテレビでやってるのに触発された暫定。
    寂しさにかまけて。



    こうか は ばつぐんだ!









    ……いやーもう破壊力ばつぐんですよ。


    「あ、やめっ……、ぐぁ、ぐぎゃあぁあぁあああっぐがあああぁあああッ!?」


    ですよ。どこのリョナい悲鳴だよ





    なんかね、大好きな曲ってのと、そこに記憶が縫い付けられてるらしく好きというんだか忘れられないんだかって曲と、ってあるんですよね。そこのあなたもそんなんないかい

    ギブスは大好きってのも強いけど実はそういう意味で両方だからあんな好きなんだと思う。何かにつけて聴きまくってたしね。

    そういう曲ってたまにふっと思い出します、酷いと脳内で完全に再現されます。さっきみたいに

    だから弱虫モンブランは大好きだけどそんな思い出さなくて家出少年と迷子少女とかJBFとかのが思い出すんですね。

    なんか「これは思い出曲ランクインするだろ」って聴いてたら意外と入らなかった曲もあるんだけどね。

    ランクインしたのは家出少年と迷子少女が一番最近、なのかなぁ……
    丁度一年前くらいだから震災のときの心境の記憶とかあの日遊んだ記憶帰り道のどうにも泣きそうで仕方なかった記憶自転車の遠出の買い物付き合わせてお返しもらったの全部ひっくるめて思い出すんですね、あぁこっちもこっちで胸がいたくなる書いてるだけでそっちの記憶雰囲気にシフトされちまうわ


    でも聴きたくなる胸がいたくなっても限界までその切なさ味わって壊れたがる僕ってなんなんでしょう、Mというかそのあともさぞ傍迷惑というか。



    さっき思い出したのもそういう僕的懐メロでちょっと人に言いづらいです僕とんでもない時期あったからね、色んな意味で。

    恥ずかしすぎる黒歴史です。


    なんてふつーの曲聴いてたんだ。

    そして何考えてたんだ何思ってたんだ。

    たかが小学生のくせに。




    もう、誰かに預けて完全に忘れたいよ、残梓が残ってるとこうしてなにかのきっかけでこの時期に戻ってくるんだから

    そんな相手ひとりしかいないじゃないすかこんなん重すぎるわ今度こそ潰れちゃうわ相手がでもひとりしかああああえんどれす




    忘れてた、確かあいつもこの時期だったよな…


    とかそんなことまでまた思い出す。







    もう、懐かしく聴きたくなって掘り出したのに聴かなくたってわかってしまいます。

    こわいな、まだ聴いてない、どうしよ、またとんじゃいそうで怖いわ…
     












    ……と、昨日の夜ぱそこんがあいてなかったのでけーたいでこの記事ぽちぽちしてめーるでやふーに送って、そのあと気づいたらAM1:30(寝てた)だとさ。ちゃんちゃん?




    そのあと流石に寝れなくなって4時くらいまで結局聴きまくってたなんていわない







    そしてさっきおはようございますしたおはよす。脳みそ腐るぞ僕ww


    愛妻家の朝食は前文芸の先輩がそれテーマに書いてた曲だなぁ、なんとなく内容覚えてる…

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    2010.10.03.からっていうあんま意味ねぇやつ

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